「どうや?どうや?すごいやろ?」
「はぁ…まぁ…」
「小春〜!!」
「うるさい一氏!!」



なんなんやろこれ。
誕生日なんにほんまなんやねんこれ。
どこの罰ゲームやねん。


「なぁなぁ財前!」


っちゅーかうざいなほんま。
一人でゆっくり過ごしたかったんやけど…俺。



―事の始まりは30分前






「へぇ、財前誕生日なんか?」
「はぁ、まあそうっすけど」


謙也さんがカレンダーを見て言う。
あー、そういえば、前にユウジさんが何か祝ってくれるとかで丸つけてった気がする。
っちゅーか誕生日やったん忘れとったわ。


パソコンから目を離して、謙也さんを見た。
なんか不思議そうに顔を傾けた。


「誕生日って…なんや?」
「え、知らないんですか?」
「おん。やって死神にはないもん」


そこで、はっとする。
そういえばこの人は何も知らないんや。
あー、何か悪いこと言った気がする。


「誕生日っていうのは、その人が生まれた日ですわ」
「生まれた日?へー…ってすごい日やん!おめでとう!財前!」
「はぁ、ありがとうございます」


いきなり目を輝かせて、キーボードの上に置いていた手を握りしめ、ブンブン振ってきた。
俺はとりあえず、礼だけ言ってまたキーボードへ手を戻した。


「ほな、プレゼント」
「良いですって別に」
「いや、駄目や!」


そう言って謙也さんは暫く考えた後、俺を見ていった。







「死神界来てみぃひん?」





「……は?」








…ということで今に至る。


白石さんにユウジさんに後は誰だか知らん人らに囲まれている。
誕生日というものに興味があるらしくみんな色々聞いてくる。


何をする日なのか
ケーキとは何か
美味いのか
プレゼントって何すればいいのか
美味いのか


言いたい放題言ってきて俺は、はぁと溜め息を吐きながら一つ一つしっかり答えた。


まず、誕生日は、パーティーやる人もいたり、特に何かをするとか決まりはない
ケーキは…食べれば分かる
多分美味しい
相手が欲しがっていたものをあげればいい
美味しい場合もあるけど、大体物をあげる


それだけ言えば、みんなは目を輝かせて騒いでいる。


「っちゅーかあんたら誰やねん」
「あ」
「忘れとった自己紹介」



ってことで今更ながら目の前に一人一人並んで挨拶をしてきた。


「アタシは第2級金色小春♪財前きゅんよろしくね〜!」
「浮気か!死なすど!……俺は第3級一氏ユウジや…まあ知ってるやろ?」


小春さんが差し伸べてきた手をユウジさんが払って俺を睨んできた。
いや、俺何もしてへんし。


っちゅーかユウジさん…そんなだったんですか。
ちょ明日からあんま近寄らないようにせな。


「俺は第4級千歳千里ばい。ほなごつト〇ロが好きばい!」
「わいは第5級遠山金太郎や!よろしゅうよろしゅう!」


なぜかト〇ロのキーホルダーを渡され、さっきから美味いん?しか聞いてこなかった遠山ってやつはにかって笑った。


「まあ、俺は謙也で」
「俺は第1級白石蔵ノ介や。うん、エクスタシー!」
「うざいっすわ」
「ひどっ!」


何か俺の扱いひどない?と騒ぐ白石さんをスルーして、他の人のとこに行く。
謙也さんも後をついてきて、皆で話した。









暫く、話した後、皆が俺に一つずつプレゼントをくれた。
小春さんからは、ネックレス
ユウジさんからは、手作りらしい服(物凄くスゴい)
千歳さんからは、新しいピアス(とト〇ロのキーホルダー)
遠山からは、たこ焼き
白石さんからは、健康にいいとかいう不思議なやつ


それらを受け取り、「ありがとうございます」と頭を下げれば、皆喜んで頭を撫で回してきた。



手を振り、「また来ます」と別れを告げ、謙也さんと一緒に自分たちの住む家へ戻った。













「こんな賑やかな誕生日初めてっすわ」
「そりゃ良かったわ」
「それで…、謙也さんからはないんですか?プレゼント」
「死神界連れてったやん」「物がいいです」


貰ったプレゼントを抱えながら謙也さんを見つめる。
すれば、謙也さんは顔を赤らめながら、近付いてきた。

渡されたのは小さな箱で首を傾げて謙也さんを見た。



「開けてみ」



未だに赤い顔のままそう小さい声で呟いた。
俺はとりあえず言われた通りに箱を開けた。



「…これ…指輪?」



「う〜、しゃーないやん!考えた末にペアリングしか出なかったんやもん!」
「へぇ、ペアなんですか」
「あ」


しまった、と口を手で塞いで、目を泳がせる謙也さんを見て、俺はくすりと笑った。
塞いだ手には指輪がしてあったから。
俺は指輪を指にはめて、指輪にキスをした。


「ありがとうございます」
「っ!!…あほ」


謙也さんは赤い顔をもっと赤くさせて俯いた。
少しして俺の方を見て、言った。







「誕生日おめでとう財前」










(どうしよう)(アンタに貰った言葉が)(一番嬉しいと思う自分がいる)



―恋に盲目




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『P.S.』の天蜜様から財前誕フリーのお話を頂きました!

死に神謙也さんはイケメンだろうなぁとニヤニヤしてましたがやっぱりイケメンでした…ペアリングとか…可愛い…っ
しかしそれを上回る財前のイケメン具合で思わず指輪に嫉妬←

素敵小説ありがとう御座いました!(^^*)



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