7月19日



翌日が俺の誕生日や。
昨年は、謙也さんからフライングメールが来て、20日に変わる時間ぴったりに部長からメール。
その後も、モーホー軍団から、師範から、副部長から、遠山から…。


みんなからのメールがきた。


それで学校へ行けば、みんな居て、パーティーやとはしゃいどった。



昨年はそれだけやった。

やけど今年は、違う。
フライングメールが来ていない。
無駄のないうざいメールは、どうせきっかりにくるんやろうし、他の人らも、過ぎてからくるやろう。

いつまでたっても光らない携帯電話を握りしめ、半場諦めて、もういいかと寝る体制に入った。














「……!?」



突然光り始めた携帯電話を、急いで取り、開く。
新着メール1件、の文字に期待を膨らませ、メールを見る。




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07/19/23:58
from:謙也さん
件名:無題
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―――――――――――




あまりに短文なメールに読んで首を傾げる。
窓?窓を開けろってことか?

とりあえず窓を開けば、こっちを向いて微笑んでいる謙也さんがいた。
俺は急いで下に降り、外へ飛び出た。












「な、なんでいるん…」
「誕生日おめでとさん!!これ、プレゼントの善哉やで!」



言葉は途中で遮られ、謙也さんがビニール袋をこっちに向け、はにかんだ。
色んな善哉集めるん大変やったわー、と笑う謙也さんを見て、携帯電話を取り出した。メールが1件来ていたが、とりあえずスルーした。



7/20/00:01



それを見て納得する。
少し話した間に1分くらいはたったのかもしれない。
でも、きっと謙也さんは、待つのが苦手やから毎年フライングしてしもうて、部活で謝ってくる。
俺は別に気にしてへんけど、謙也さんは、一番最初に俺におめでとうと言いたかったのやろ。



あぁ、なんて愛しい恋人だろうか



なんて柄にもなく思い、善哉の入った袋ごと、謙也さんを抱き締めた。


「…光」
「ありがとうございます。謙也さんが一番っすわ」
「わ、ほんまか!」



嬉しそうに笑う謙也さんに、はい、と頷いて、より強く抱き締めた。



「……誕生日おめでとさん光。うまれてきてくれて、おおきに」



謙也さんはもう一度静かに言って、抱き締め返した。
俺は、そんな恋人の唇に自分の唇を落とした。





神様、おかん、おとん
俺を生んでくれておおきに
おかげでこんな素敵な愛しい恋人と傍に居れます。










(暫く離れていた年も)(暫くは)(君と同い年になれる)




0時の魔法を解いて





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『P.S.』の天蜜様から財前誕フリーでしたので頂いて参りました!
うぉお相変わらず光謙可愛い…っ光謙の幸せっぷりをお裾分けして貰った気分です。

素敵な小説をありがとう御座いました!(^^*)



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