―U-17合宿にて








「白石さーん!!」

厳しい練習が終わって、タオルで汗を拭き、水分補給をしていたら、赤也クンが飛び付いてきた。
あ、ダブルスやってから仲良くなったんやで!
どや?羨ましいやろ?


「赤也クン!!!どないしたん?」
「へへっ、どうもしないっすよ!ただ会いたかっただけっす!」


―キュン

はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあっ
なんやなんなんやこの子は!可愛すぎるやろ!人の心を掴む天才やな!

「…?平気っすか?白石さん。」

にやける俺を見て、不思議そうに顔を傾げる赤也クン。
あぁ、ほんま天使や!

「おん!!全然平気や!あ、せや。ちょっと待っとってな!」

頭を撫でてから、思い出して離れる。


2軍(負け組が下克上したため負け組達)が練習しているコートへ行き、"あること"を確かめてから、また赤也クンのところへ戻る。
すれば、赤也クンが振り返って、まるで飼い主を待っていた子犬みたいに、満面の笑みで駆け寄ってきた。

これ、尻尾あったら、めっさ振ってるんやろなぁ。
あ、あかんあかん!
可愛すぎて、周りになんて見せられんな!

「何してたんっすか?」
「ん?いや、ちょっとな。」

そう誤魔化したら、赤也クンはむっとした。

「俺にも言えないことなんっすか?」

っ!!!あかん、あかんってそない可愛い顔されたら、全て話しちゃいそうやっっ!

「それはな、y「白石ぃ!」あ、謙也。」

俺のセリフを中断させたのは、謙也やった。
赤也クンは、首を傾げて、謙也を見た。

「あ、赤也クン!ちょ、待っててな!」
「え、ちょ、謙也あぁ!!?」


謙也は俺の腕を引っ張って、赤也クンから離れた場所まで走った。
酔うから。酔うから。自分、浪速のスピードスター(仮)なんやからっ!!足速いねん!!


「…うぇ……。
んで何の用やねん。」
「いや、白石お前なぁ。何作戦バラそうとしてんねん!俺には関係あらへんけど、親友やし、赤也クンに怒られて落ち込む白石なんぞ見たくないんや!」


そこまで言われて、はっとする。
そうや、赤也クンが可愛いあまりに、つい作戦バラしちゃうところやった。

おおきに謙也。
こういう時に役立つな。


「分かったか白石!絶対にゆk「はい。そこまで。」……え?光?」


謙也のお説教の途中に急に財前が来て、謙也の首根っこ掴んで引き寄せた。
あ、ちなみに俺の腰には赤也クンがしがみついています。


「謙也さん。いい度胸ですね。俺以外の奴とイチャつくなんて。あ、嫉妬させたいんですか?なら安心して下さい。現在進行形で嫉妬してるんで。ま、そんな謙也さんには俺がどれくらい謙也さんを好きなのか。体に思いしらせてあげますわ。」


それだけ謙也の耳元で言うと、財前は顔面蒼白になった謙也を引っ張って「それじゃあ。」と言って去ってった。

謙也……御愁傷様。

って言ってる場合やなくて…。


「………あの、赤也クン?」
「………。」

腰にしがみついている赤也クンに、恐る恐る声をかければ、予想通り返答なし。

あぁあぁぁぁぁぁぁっ!!
どないしよ!?


「…白石さん。」
「ななななななな何ですか?」

やばい。声がめっさ震える。

「さっきの、作戦っていうの教えて下さいっす。話はそれからで。」


………
白石蔵ノ介、死亡のお知らせです。





「えっと、あの、幸村クンが…。」
「幸村部長がどうかしたんっすか?」
「赤也クンと話しとったら来るやろ?やから…。」

拷問や。これ拷問。
さっきから赤也クンの目が怖くて、全然話せへん。


「だから…?」
「に、仁王クンにお願いして赤也クンにイリュージョンしてもらって、幸村クンを足止めしてもらったんや!!!」


はぁぁあああああああっ

言い切った。心拍数多分やばいで。


「……え?え?…仁王先輩に?話すチャンスありました?」
「あ、う、呼び出し…て。」
「…なんでそこまでしたんっすか?」
「ゆ、幸村クンが赤也クンにベタつくから…。嫉妬したん。」


そこまで言えば、赤也クンはポカーンと口を開いてから、笑った。

う、そんなとこも可愛え。


「俺だって…。」
「へ?」
「俺だって、嫉妬してるっす。さっきだって謙也さんと二人で話してましたし、仁王先輩を呼び出したってことは二人きりですし。」
「え、いや、好きなんは赤也クンだけやで!?」
「知ってるっす。でも、嫉妬しちゃうんです。俺も好きなのは白石さんだけっすもん。」



言えば、照れたように笑った。


―どっきん
あかんあかん。
この子は恐ろしい子や!


「ふぇ!?ちょ、白石さん!?」
「あー、ほんま大好きやで!!」


俺は赤也クンを抱きしめて、頬にキスを落とした。

案の定、赤也クンは顔を真っ赤にして、俺の胸に顔を埋めた。










〜その頃の仁王〜




「赤也〜もう一度言って?」
「幸村部長大好きっすよ!!」
「ふふっ、俺は愛してるよー。」


(何で俺が赤也になって幸村に抱きつかれなあかんのじゃ…。まあ白石の言った通り、幸村のデレデレの顔は珍しいが。でも絶対、白石に焼き肉奢らせちゃる!!)







そう、例えるなら君はショートケーキの苺だよ
(一番大切な人ってことやで?)




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『P.S.』の天蜜様から相互記念でこんな素敵なお話を頂きました!
白赤だけでなく光謙幸村仁王まで…!豪華過ぎてガタガタしています
らぶらぶな可愛い白赤が見れて良かったです。も、もっと書いて下さって良いんですよ…!←

相互+素敵小説ありがとう御座いました(^^//)



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