聞かせて。

【拍手御礼。】(土銀、切裏)




毎回、酒を飲んだ後の記憶がない。隣で土方が寝てるから、やったのは確か。


別に 酔ってない時にやる時もあるし、珍しくもなんともない筈なのに………


「銀時、昨日のこと……覚えてるか?」


「あぁン? 覚えてねぇよ。昨日も散々飲んだし…。なんかあった?」


そう毎回聞くと、


土方が悲しそうな顔をするのは 何故だろうか。





届かない声





それは、全然思い出せない。


はじめは あまり気にしなかったけど さすがに5回もそんなやりとりが繰り返されて、気になった。

今日も 土方といつものように飲み比べをはじめる。


でも、俺の酒は事前に店の親父に頼んで 水で薄めてもらった。


ある程度飲んで 限界のふりして机に頭のつける。


「おぃ、今日は随分と ねばったな……」


「うる、せー」


「はぁ−…、親父! また今日も上貸してくれ」


「はいよ−」


まだこのへんは覚えてる。


それから俺が土方に抱きたくなって……抱きついて……


「ひじかた…」


そして キスをする。


「……はッ………ぁ……ん………」


チュクッとやらしい音。なんか演技してるみたいで申し訳ない。


相変わらず巧くて、自分じゃ立っていられなくなる。


ここまで。あとはわからない。


キスのせいで荒くなる呼吸。


「銀時…… 今日はもう、我慢できねーから…」


「?」


ーーーーーーーーー



「はッ…、んぁッ………、ひじ、ッ… もう、ゃッ!!」


ジュパン、ジュパン、


「ゃ、じゃッ……、ね、だろッ」

乳首をいじられながら、土方の自身を入れられて 激しく動かされる。


なかなかイかない土方に 俺はイきっぱなし。


イきっぱなしなんて初めてだ。


頭がクラクラする。


「ぁッ、ぁッ、ぁッ、ふぁ!!ん……、…おかしッ、おかしくッ!!、ひゃぁあッ…ーーー…」


ジュパン、ジュパン、


「銀ッ、ッ…ーーーーーー…」


中に土方の熱が溢れ出した。


マジで いっつもこんな激しくしてんの?


「はぁ−…、はぁ−…、銀ッ、好きだっ」


? 今なんて?


「好き、なんだッ…」


さっきまでの激しさとは逆に、壊れものを扱うみたいに 優しく抱きしめてくる。


「……ひじ…」


「何回も言ってるってのに… どうせまた忘れんだろ?」


「ひじかた…」


「くそッ…」


「ひじかた……俺…」


「………………」


あれま… 寝てらっしゃる。


相当酔ってたのか?


抱きついたまま眠る土方の頭をゆっくりと撫でてやる。


「……… 悪かったな……。もう…忘れてねぇから……ちゃんと聞こえたぜ?」


『好きだ』それを伝えるために必死だったわけか………


初めて聞いた。


「なぁ、土方……… もし、俺が、覚えてるって言っても…… また、好きだって言ってくれるのか?……それとも……もう好きって言ってくれなくなるのか?」


いつもみたいに、


『1回で理解しろ』なんて言って……… 二度と言ってくれなくなるのか?



だったら もう少し、



知らないと嘘をつかせてくれ。



「好きだよ。土方」




end

【次#】


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