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それは、本当に軽い気持ちだった。



その日は 偶然依頼で色々と巻き込まれて怪我をしていた。そんな中、普段なかなか来ない土方が家にきた。


「銀時、居るかぁ?」


出ようか悩んだけど 面倒だったし 「その傷はどうした!?」とか聞かれて説明するのがめんどくさい。

どうせ今日はヤれないし 身体中痛いし………

今日は逢わない方がいい。

そう思って 静かに立ち上がり 神楽が寝ている押し入れを開け、小声で言った。


「おぃ、神楽…酢昆布買ってやるから… 土方追い返せ」

「んー…、ニコ中にアルか?」

「あぁ。あー…あれだ!死んだって言っとけ!」

「けっ、しょうがないアルなぁ…」


神楽はむくりと立ち上がって ドタバタと廊下を走った。

扉を開ければ土方が 予想外の人間が出たことに驚いたようだった。


「チャイナ、銀時はどうした?」

「銀、ぎん…ちゃん、は……死んだアル」

「おいおい、冗談だろ?」

「嘘じゃないネ!……ニコ中が…お前が!なかなか逢いに来ないからっ!銀ちゃんはっ!!」


ガバッと土方のスカートを掴む。
本当にドラマの見過ぎだよあいつ… つーか何あの無駄な演技力!!しかも なかなか逢いに来ないから死んだって意味わかんねーし!

止めるか?

いや、なんかもう見守ろう。
なんか俺、お父さんみたいだな…

土方もわかるだろ。


「それ…マジ、なのか…?」

「…………」


まさか、


まさか、


土方くんさ… 信じてる?


神楽は俯き、身体をふるわせている。多分笑いをこらえているんだろう。


土方は真っ青な顔をしていて その様子を見て笑いを必死にこらえた。


あいつも 俺が死んだらあんな顔してくれるんだな と嬉しくなる。


さすがにやべーかな…


土方にわからないように 神楽に合図しようとした途端、「俺…帰る、わ…」と真っ青な顔のまま背を向けた。


「ひじか、」


聞こえてない。


ドアをピシャリと閉められた。








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