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規則正しく、何かが聞こえる。

すー、すー、すー、


「!?」


いつの間にか寝てたみたい。なんか寝てばっかりだ。

じゃなくて、俺の目の前で 規則正しく聞こえるそれに驚いた。


桂が…… 寝てる……


近くにいた高杉の存在に気づいた瞬間、高杉は立ち上がって「おかえりなさい!!」と走って行った。


こいつらは…… 夢じゃないのかな……


? おかえり?


バタバタと高杉が向かった玄関へ進むと 松陽先生がいた。


思わず抱きつくと 先生は頭を撫でてくれた。


怖かった。寂しかった。


もう、前みたいになるのは嫌だよ………


口に出せない思いがグルグルする。


「ごめん、銀時。ちょっと遠くまで買い物に行っていてね…… こんな時間になってしまった……」
「買い物?」


顔を離して見ると、先生はなにか背負っていた。

なんか重そう。


「先生… もう作る時間ないよー」


時計を見れば 夜の11時。


「じゃぁ、みんなで作ろうか」


先生は俺と高杉を抱えて台所へ向かった。本当に力持ちなんだな……


「何を作るの?」

「ケーキ」

「けぇ…き?」

「甘くておいしいもの」


そう言って、先生は準備をしていく。先生が使おうと準備したものは見たことないものばかりで驚いた。


とにかく、先生に言われたようにやろうかな。


高杉と一緒にお手伝い。


牛乳みたいなのを 混ぜる作業。


「あっ…ふわふわしてきた」

「お前の髪みてーだな」

「なっ!!」

「コラコラ、銀時も晋助もしゃべってないで手を動かして」


高杉と交代で手を動かすと、「すみません!寝てしまった…」と桂が走って来た。


「そろそろ1人で大丈夫だから… 3人とも部屋で遊んでなさい」


「「はーい」」


えっ…もう少し一緒に…

なんか… 俺先生に甘えてばかり…

「はーい…」


高杉と桂の後を追って部屋を出た。






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