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今日から みんなで学問を学ぼうか。そう言われて、部屋を移動すると 俺と同じくらいの歳の子供と、高杉と桂がいた。


学問?あぁ… だから松陽「先生」なんだ……。


「今日から この子も君たちの仲間入りだ」


そう言って紹介される。


ほら、やっぱり。


みんな、嫌な目で見てる……


大体わかるんだ。

俺を見て


怖いと思ってるやつ、


逃げ出したいと思ってるやつ、


もう見慣れたよ……そんな目。


多分、松陽先生がいるから みんな何も言わないだけ。


「この子の名前は…」

「先生、いいよ……」

「…………」

「………言わなくていい」


松陽先生はそう言う俺の頭をゆっくりと撫でて、「坂田銀時」と言った。


「先生ぇー ヅラくんの長髪が邪魔なので、席を替えてください!! まだそっちの天パのがいいでーす」

「ヅラじゃない!!桂だ!」


突然騒ぎ出したのは 高杉と桂だった。

この2人は何故か みんなとは違う。松陽先生も。


あーいうのは、どう表現すればいいのかな?


とにかく、安心する目。


「ほら、いつまで立ってんだよ!! 来いよ」


そう言って 高杉は俺の方に近づいて手を引いた。


長い机に2人ずつの席なのに、無理やり高杉は俺を桂との間に挟んで座った。



しかし、座っても尚、手はずっと握られたままだった。


隣の桂も、俺の手を握った。


恥ずかしい。

でも、嬉しい気がする。


まただ……、モヤモヤする。こんな時は… なんて言えばいいのかな?

ありがとう。なんてなんかあれだ……


「狭い…」


そう呟くと、桂も高杉も笑いはじめた。俺もつられて笑った。




握られた両手。


瞬間に温もりが消え、硬直し、腐敗した塊。それが脳裏をよぎる。


その温もりさえ、


信用していいのか考えてしまう。


体がビクリと跳ねた。とっさに2人の手を離す。


「あ…」



何故かその後、髪を思いっきりいじられた。






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