V


目が覚めると お香の香がした。綺麗な布団の上に寝かされ、なんとなく体が綺麗になってた。


風呂に入れてくれたのかな?

だって、ふわふわするし、着物も変わってる。



「目が覚めた?」


隣には、さっきの大人が座っていた。黙って頷けば、また優しく笑って 頭を撫でてくれた。


落ち着く。


そうしてると、後ろに人の気配がした。


見ると、子供が2人、こっちをじーっと見ていた。

1人は長髪、1人は普通。そんなやつらがこっちを見る。長髪と普通は、襖から顔を半分だけ覗かせていた。


「………なに?、あれ……」


俺がそう言うと、隣の大人は笑った。



「お前、誰?」


普通が言った。


「……………」


「まぁ、まて高杉。人に名を訪ねる時は まず自分から名乗るべきだ」


長髪がそう言うと、普通、長髪の順で、


「高杉晋助」「桂小太郎」と答えた。


「坂田……銀時…」


「で?お前、なんなの?」


「?」


高杉とか言うやつが言った。
何って?


「晋助は 松陽先生に構ってもらってるお前に嫉妬してるだけだから、気にすることはない」


「ヅラは黙ってろ」


「ヅラじゃない!桂だ!」


「松陽… 先生?」


「ははっ、晋助、小太郎。今日からこの子も 君達の仲間入りだ」


「仲間?」


「銀時、今日は休みだから 晋助と小太郎に遊んでもらいなさい。」


そう言われて立ち上がると、桂とか言うやつに手を引かれて 外に出た。


こいつらは 俺のことを見て、何とも思わないのかな…?


この髪を見て…… 鬼だとみんなみたいに……思わないのかな?

なんか…髪がムズムズする。


「?」


見ると、桂が 俺の髪でクルクルと遊んでいた。


普通、怖がって誰も触らない髪。


「おぃ!!銀時!」


「?」


気がつけば 高杉が目の前に来ていた。


「……ちょっと背が高くて 綺麗な髪してるからって ちょーしに乗るなよ?!」


「?き…れい?」


「お前… 歳いくつ?」


「…5…」


「俺たちと同じかぁ… 誕生日は?」


「なにそれ?」


「いや、生まれた日」


「知らないよ」


「あ? じゃぁ 今までどうやって歳を……」


「寒くなって、暑くなって…… 寒くなって……桜が咲いたら 一年だろ?」


そう言うと 2人は動きを止めた。


なんでそんな悲しそうな目してるんだ?


すると 桂がゆっくりと口を開いた。


「じゃぁ 俺たちが決めてやる」


「? いいよ。生まれた日なんて…」


俺の言葉を無視して 2人はどんどん話を進めてた。


「4月とかはどうだ? 桜を見てたんだろ?」「は?なんで 俺たちよりはやいんだよ!!8月以降だ」「高杉… お前は そんな小さなことばかり気にするから背も伸びないんだ…」「なんだよ!!大して変わらねーくせに!!!」


「あぁυ 俺 5月でいいよ。歳5つだしυ 日も5日でυ」


「だから なんでお前のが はやいんだよ!」


うーん… と黙って考える2人。誕生日ってそんなに大切なもん?

誕生日だからって何も変わらないだろ?


「10月はどうだ?」


そう言ったのは桂だった。


「ほら、銀時の頭は、糖菓子みたいだしな」


「は?お前また……」


「いや、俺 それがいいよ。甘いもの嫌いじゃないし。10月10日で」


「まぁ… 本人がいいならいいか…」


「晋助と2ヶ月違いだな」


「え!? こいつと…?」

「なんだよ お前がいいって言ったんだろ」


「うん… まぁ いいや」




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