V




放課後。
銀時が帰ろうと荷物をまとめていると、土方がひょっこり顔をだした。
「今日のセンコーいびり、マジ受けた」
土方は、普段の仏超面をはねのけて、笑う。
銀時は、それを見て思い出したのか、再び腹を抱えて笑いだした。
涙が溢れるまで、腹筋が痛むまで笑う。
銀時がちょうど、机に突っ伏した時、高杉と辰馬が教室に入ってきた。 机に突っ伏したままの銀時を見て、土方に視線を移す。
『腰が痛いのか…?』
そう考えが巡った瞬間に2人はピンときた。
「銀時ィ、てめぇ、俺が見てねーからって…ヤッたのか?!」
何故、ソッチの話に行くのか?
訳が分からないまま、銀時は顔をあげる。
笑い過ぎて、目は潤い、頬は赤みが差して、うっすらと汗もかいていた。
「銀時ー!!おんしは、わしが守るぜよっ!!」
ぎゅうっと抱きつき、土方をケダモノを見るような目つきで睨む。
「ヤッたって…笑ってただけなんですけど」
その時、銀時が辰馬の腕の中から言った。
「高杉、誤解したんならそれは違うっ!俺は、今日の銀時のセンコーいびりが楽しかったって言って笑っただけだ!」
妙な理由で殺されたくないと思った土方は、全身で言い訳をする。高杉はやっと理解すると、どこから持ってきたのか、刃物を辰馬に向けた。
「テメェは、何、抱きついてやがる。斬るぞ」
構える高杉。
辰馬は慌て、銀時を離した。
「お前らさ、俺でいいわけ?」
ふと、思ったから口にした銀時。「俺は男なんだよ?しかも、見た目変だし」
高杉は、ため息をついた。
「お前だから、その銀髪も許せるんだよ!オラ、帰るぞ」
ぐいっと腕を引っ張る。
銀時の髪ごしに見える夕日は銀色だった。







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