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コンコンッ


ドアを叩く音がする。


「はい」

「お茶をお持ちしました」


執事の土方だ。今一番会いたくない人間。今は夜だし、変なことをする可能性がある。


なのに、ちょうど喉が渇いていたから、ベッドから体を起こしてドアを開け、「ありがとう」と素直に受け取った。


土方は 俺に紅茶を渡すと、目の前の机に座り、じっと見てくる。


「なに?」

「いや、誕生日一つで随分とお疲れだな」


微笑しながら言う土方の態度にちょっと腹が立つけど、唯一 気を遣って接してきてないやつだから、なんとなく楽。


「ほらよ」

「? なにこれ」

「誕生日プレゼント」

「…………ありがとう。まぁ……それはわかったんだけど……、何ですかこれは……」

「マヨネーズ」

「…………………」


突然の行為で驚いたけど……それ以上に驚いた。

こいつがマヨネーズが好きなのは知ってる。

でもさ… なんでマヨネーズ? 誕生日にマヨネーズ?


「ぶっ、ははっ!! どんだけマヨラーなんだよ」


マヨネーズ好きだから 俺にもってか?なんか笑えてきた。


「ーーーー…あー…、今日はこんなつもりじゃなかったんだけどな…」

「へ?」


腹を抱え込んで笑っている俺に、土方はそう言うと 机から立ち上がり、俺をベッドに押し倒して 馬乗りになる。


「///なッ!!、どけ!今日はそんな気分じゃ…」

「気分じゃない? ククッ… 毎回そう言ってるけど 途中からノリノリじゃねーか?」

「っ///////」


ヤバい。ゆっくりと顔が近づいてくる。

怖い。

首を必死に左右に振って抵抗する

「や、だって、!! 今日くらい 俺の命令聞いて!!」


おかしな話だ。命令したことはないけど、さっきまで執事として 散々自分の為に動いた人間に ゛今日くらい命令を聞いてくれ"なんて…


「………わかった」

「?」


土方は 俺を解放してベッドの上に座った。


「反論…しねーの?」

「あぁ。そんなに嫌がるやつをヤる趣味はねぇ。但し、もうお前の命令は聞かない。今度はお前が聞く番だ」


土方は自分の両股を叩くと、「座れ」と言った。


土方の言い分は正しい。


土方は 嘘はつかないから 多分嫌がる俺に変なことはしないだろう。一応毎日見てるけど……案外見えない所で人一倍頑張ってるし………


「わかった」


俺を座らせると 土方は俺の頭に顔を埋めて、髪を指に絡めてクルクルと遊びはじめた。


「ん……、」


くすぐったい………

いや、くすぐったい感覚と違う感覚がある。


「ひじかた…、ぁ…つい…」

「んーー」


そうだ……なんか…あつい。

凄く苦しいのに、全く相手にしてくれない。

あつい。

体が…… 体の芯から……


そして、お尻に布越しであたってる土方のアレが欲しい。


これは……


「はぁー…、はぁー…、なにをッ…ん…、した?」


首だけ土方の方に向けて問うと、首筋をピチャリと舐められて それでさえ、溶けそうになるほどの快楽に感じる。


「高かったんだぜ? あの紅茶」

「ふぇ…?」


何かやらかすかと思ってた…
紅茶だなんて…

あつい…
ムズムズする……

耐えきれず 自身に手を伸ばしたのに、体に力が入らなくて上手く抜けない。


「はッ…、ゃぁ…、……んっ、んっ…さい…てー…、ぁ…」

「よく言うぜ……触って欲くて仕方ないんじゃねーか?」

「、…んっ…、……さわって…… さわってッ…、ひじ、かた……」


この熱には 毎回耐えられない。

土方は 俺をベッドの上に寝かせて服を脱がしていく。

全部脱がされて 身を任せる為に目を閉じて感じたのは、




土方の手が体を這う快楽なんかじゃなくて…………



ただ、 ボトッという頭上聞こえてきた音。


「欲しい所に、マヨネーズかけろ。そこだけ触ってやるよ」

「なっ!?////// そんなの……」

「人に命令する時は、自分も命令を聞かないと。それでお互い貸し借り無しだろ? でないとこのままだ」


憎たらしいくらい嬉しそうに言いながら、俺の耳をぴちゃぴちゃと攻めてくる


「っ…、はッ……、俺が 耳弱いの……知ってるくせに……」

「ククっ… ほら、マヨネーズつけねーと 喰ってやらねぇぜ?」


紅茶を飲まなければ良かった…
もう遅いけど……。


ダメだ……… 考えてられない……






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