V




…zzz


ハッ!!


ヤバい、寝てた!!



あれ?奴らは…



ガタッ



「「銀時!!」」



え…

「ヅラ…高、杉…?」


「よかった、無事だったのだな!!」

「何してんだよ、テメーは!?」

「素直じゃないな…全く。さっきまで一番心配していたくせに。」

「う、うるせぇよ!!ヅラのくせに!!」

「ヅラじゃない桂だ!!」


何で?


どうしてここに居る?


「な、んで…」

「「は?」」


「何でここに居るの?」

「何言っているんだ銀時?」

「バカじゃねーの?」

「いや、何しに来たんだって聞いてんだって」

「お前本当にバ…
「銀時」

「!?先生…!?」

「二人は、銀時を助けにきたのですよ。勿論私も。」

「助、け…?」

「はい。」

「何で、俺なんかを…?
俺は鬼で人殺しで…」


「鬼鬼って、お前が鬼なわけねーじゃん!!鬼は泣かねぇんだよ。」

「紅い目に銀の髪。どちらかというと、兎だな。」


いつの間にか俺は泣いていた。

生まれて初めて、人前で泣いたと思う。

それも嬉しくて。


「何故助けたかって?
簡単な事ですよ。
私たちは、仲間であり、家族である。
そして、あなた方三人は友達ではないですか。

ひとりでも欠けてはダメなんです。
一人で背負わず、その荷を分かち合うことが大切なのです。
そうして喜びも、共に感じていけるのです。」


「…お前、本当に兎みてーだな」
「目が真っ赤だぞ。」

「さて、帰りましょうか。みんなのお家に。」

初めて人前で泣いた。

そして、初めて友達と手をつないだ。

『あ、晴れてる…』



・:*:・゜'★,。・:*:・゜'☆・:


「銀ちゃん、起きるアル!!」

「仕事行きますよ!?」

『夢か…


若気の至りだな…』



人前で泣いた二回目は、先生が死んだあの夜。

一回目なんて忘れてた。


『友達ねぇ…』


同じ瞳から流れる涙でも、二回目と一回目はきっと違う。


悲しい涙だけじゃない。


世間であの涙は嬉し泣きというのだろう。


大切な人としか流せない。


「よーし、いっちょ行きますか!」



綺麗な涙。




・:*:・゜'★,。・:*:・゜'☆・:
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琥珀様より頂きました!

誘拐された銀さんの話…高杉や桂や松陽先生の温かさがまたとても感じられました(;へ;)
本当に大きな存在だったんですね 兎みたいだと言った時に 泣けてきました!

琥珀様!素敵な小説をありがとうございます!m(__)m





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