V




「先生ー!!!」
「お帰りなさい!!」

二人の子供がこちらに向かって走ってきた。
さっ。と松陽の後ろに隠れる銀時に大丈夫ですよと松陽は声をかける。

「先生、遅かったですね」
「皆待ちくたびれてますよ」
「すみません、小太郎に晋助」

小太郎、晋助と呼ばれた二人は松陽の元へ来ると早く来てと言わんばかりに松陽の手を握っていた。

「…あれ?先生、その子誰ですか?」

銀時に気付いた長髪の子供、小太郎は銀時の様子に多少驚きながらも松陽に尋ねた。

「あぁ、彼は銀時です。貴方達の新しい友達ですよ」
「銀時?」
「新しい塾生ですね!!」
「あ、あの…」

話しについていけなくて銀時は戸惑ってしまったが、

「二人共、仲良くしてあげて下さいね」
「はーい!」
「よろしくな、銀時!」

きらきらの笑顔で手を差し出されて、自然と心が和らいでいるのだけは分かった。
その手に自分の手を重ねようと、銀時は腕を伸ばしたが

「……っ」

すっ。と引っ込めてしまった。
手を差し出していた晋助は、てっきり握手してくれると思っていたので銀時の行動に少し驚いた。






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