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「もういい!!!、悪いけど…1人にしてくれよ!!」
銀時の怒鳴り声が聞こえてきた。
病室へ入ると、頭を抱える銀時と、医師がいた。
「どうしたんだ?」
「?!、 あなたは………」
どうしたか聞いているのに、それ以上なにも言わない医師。
「先生……すまねーが 2人にしてくれるか?」
医師は ゆっくりと病室を出た。
「………銀時………」
「………あんたも…俺の知り合い?」
頭を抱えたまま話す銀時。
「あぁ…、」
「名前は?」
「土方十四郎」
「なにしてる人?俺とどんな関係なの?」
「真選組だ。お前とは…」
「しん、せんぐみ?」
俺が真選組だと話した途端、銀時が顔を上げた。
記憶を失っているせいか、眼が死んでない。なんだか普段とは別の色香を感じる。
そう思っていた瞬間、銀時はベッドから立ち上がると、俺に刀を向けてきた。
俺の刀じゃない。俺のは屯所に置いてきた。
「?!、どうしたんだよいきなり!!」
「真選組……、さっきの医者から聞いた……。幕府が作った集団。幕府の犬…お前らが…俺たちの仲間を……今も…」
「?!」
おおかた、さっきの医者は攘夷志士の1人で、記憶を無くした銀時に色々と吹き込んだ。そんな所か。
いや、銀時は最近の記憶がないだけなのか……?
「銀、時…」
「俺の名を呼ぶんじゃねぇ…、」
「銀時…」
「………… なんなんだよ… お前も………、なんで… そんな眼するんだよ………。」
ゆっくりと刀を下ろし、やがて 刀から手を離した。
「……そんなに殺してぇなら………さっさとしやがれっ……… もう、頭ン中グチャグチャなんだよ………、仲間は?桂は?高杉は?辰馬は?生きてんのか? なんで………なんなんだよ……、」
嗚呼………、
こいつは、
「お前は、何歳までの記憶だ?」
「あぁ?なにが…」
「お前は何歳か聞いてんだよ!」
「…っ………19だよ」
19?6年もの記憶を失ったってか。
こいつの過去は知ってる。
知ってる。
「お前は死にてぇのか?」
「わかんねーよ。……でも……死を恐れ、逃げる理由がない」
だから
こいつは、
「なら、殺してやるよ」
【次#】
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