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「殿、連れてまいりました」


「あぁ。さがっていいぞ」


殿様とははじめて会う。

殿様っていうから なんか ナマズ顔のイメージがあったけど、黒髪で顔立ちがよく、なんていうか……かっこいい。


俺を連れて来たやつが部屋から出たせいで、なんか空気が怖い。



「で?お前は 何をやらかしたんだ?」


「…… 任務で……言われた子供を殺せませんでした……」


「ガキは殺せねぇか?」


「………」


俺が頷くと、土方さんは懐から薬のようなものを取り出した。


失敗した忍び。

そうだよな…

俺は失敗したんだ……


駄目なものは 切り捨てないといけない。


怖くなんかない。


だんだん土方さんが近づいてくる。


「飲め」


束ねられたままの手の上に薬を乗せ、冷たく言われた言葉。


ゴクン。


俺は言われた通り、薬を飲んだ。







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