――――――



喜ぶと思った。


また顔を真っ赤にすると思った。


好きなやつに好きだと言われて、好きなやつとやれるんだからいいだろ?


でも銀時は俺の下でカタカタと震えた。


一瞬、手を退けようと思ったがやめた。元々苦しめる予定だったんだから。



「ちょ、まっ!」



着物の紐を解き、落ち着かせるように 銀時の首筋から胸のあたりまでキスをおとしていくとピクリと反応する。

いつもより感度がいい気がする。ムカついて乳首に思い切り噛み付くと 短い悲鳴の後に目を覆う手が濡れた。



「や、だ…」


「何が嫌なんだよ」


好きでないやつには簡単に足開くくせに…


「俺は…松陽先生に…こんなことされたかったわけじゃない…」

「じゃぁ何を望んでんだよ…」


自分でも情けないくらい低い声が出て、嫌になって目を塞いだまま無理矢理キスをした。

閉ざされた唇を舌でなぞってやると小さく口をあけて、そのまま舌を絡めて裏側をなぞる。

くちゅくちゅとやらしい音がした。



「んっ、は、……ゃだ…」



キリキリ胸が痛んだ。



いつもは可愛いと感じて仕方ないこいつの涙が、死ぬほど苦しい。



「やめた…」



身体を離してやれば、身体を横に向けて耳を塞いで銀時は声を殺して泣いた。



「ちがう……しょ、よう先生…じゃない…」


「あぁ…」



明日、薬がきれる。



「明日になれば消えるよ」



聞こえてない言葉。



好きなやつには抱かれたくなくて、好きでもないやつには平気で抱かれて。



「お前は人を本気で好きになったらどうなるんだ?」



残ったのは、虚しさ。



どうすれば、なおるのだろうか。



「銀時、ごめん」





end



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