3
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長い夢を見てる。
これは、夢。
松陽先生が、帰ってきた。
夢だ。幸せな夢。
目が覚めると、隣の布団から松陽先生が寝てるのが見えた。長い髪。触ってみると、やっぱり夢だから感覚はない。あるけど髪の感覚じゃなくて布団を触ってる感じ。
不思議なことに、頭とか手とかは それぞれ触った感じがするのに、先生の長い髪だけは、すりぬけたみたいに感覚がない。
まぁ、夢だからかな。
悪戯に先生の頬を摘むと、ゆっくりと目があいた。
「ん、なに」
「ん―…いや、意外に柔らかいな、って」
「なんだそれ。今何時だ?」
「もう少しで11時になるよ」
俺が知ってる時より言葉遣いがすごく悪い。でも、関係ない。
子供みたいに 俺の髪に指を絡めてくるくるしてくるんだから、怒ってるわけじゃないだろ。
「ちょ、くすぐったいよ」
「銀時」
「なに」
突然、明るかった部屋が真っ暗になった。
髪で遊ぶ先生の手が俺の目を塞いだと気がつくと同時に、先生が押し倒してきた形になったことに気がついた。
「せん、せ?なに…見えないよ」
「好きならいいだろ?」
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