――――


長い夢を見てる。



これは、夢。


松陽先生が、帰ってきた。


夢だ。幸せな夢。



目が覚めると、隣の布団から松陽先生が寝てるのが見えた。長い髪。触ってみると、やっぱり夢だから感覚はない。あるけど髪の感覚じゃなくて布団を触ってる感じ。

不思議なことに、頭とか手とかは それぞれ触った感じがするのに、先生の長い髪だけは、すりぬけたみたいに感覚がない。


まぁ、夢だからかな。


悪戯に先生の頬を摘むと、ゆっくりと目があいた。



「ん、なに」


「ん―…いや、意外に柔らかいな、って」


「なんだそれ。今何時だ?」


「もう少しで11時になるよ」


俺が知ってる時より言葉遣いがすごく悪い。でも、関係ない。

子供みたいに 俺の髪に指を絡めてくるくるしてくるんだから、怒ってるわけじゃないだろ。


「ちょ、くすぐったいよ」

「銀時」

「なに」



突然、明るかった部屋が真っ暗になった。

髪で遊ぶ先生の手が俺の目を塞いだと気がつくと同時に、先生が押し倒してきた形になったことに気がついた。



「せん、せ?なに…見えないよ」

「好きならいいだろ?」








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