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「よー、久しぶりだな」
すごい雨にも関係なく、いつもと同じく誘えば俺よりもはやく来て飲み始める銀時がいた。
横に立ち、そう声をかけて座ると 銀時も笑顔で「よう」と手をあげた。
「すごい雨だな」
「あー…台風近いんだってよ。勘弁してほしいぜ…。台風のせいで去年屋根瓦が飛んで大変だった」
「そりゃぁ大変だったな」
いつものように、酒を飲みながら他愛のない話を楽しむ。
楽しんだ後は、軽く酔いがまわっていて、気がつけば外は大変な雨風で 酒屋の主人に上の階に泊めてくれるように頼んだ。
いつものように、床に倒した銀時を愛しく思い、キスをする。
我ながら、頭がおかしいと思う。
酔いがかなりまわっていたのか、キスを落とした後の銀時がゆっくりと目を開けた。
ただの触れるだけのキスを受けただけで、瞳を潤ませる銀時。
それを見て、
恐怖した。
見慣れた銀時のその瞳が、
その濃く赤い瞳が涙と絡み、まるで今にも血を流そうとしているように見えたんだ。
また、嫌な汗が流れる。
以前はこんなことなかったのに。
「ひじ…」
「っ!!」
心配そうに頬に触れようとする銀時の手を、振りはたく。
一層に、銀時の瞳が赤くなる。
俺は、頭がおかしくなった。
銀時の顔を布団で隠して酔って寝たふりをした。
しばらくして隣から寝息が聞こえると、その場から逃げ出した。
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