急いで寺まで戻り、隊士に紛れて針と糸を受け取って川に戻る。

銀時は身体を拭き、着物を着て川原に座っていた。



「ほら、こっち来て脱げ」


「……わかったよ」


「麻酔ないからな…」


「ますい?んなもんお前の時代にあんの?」


「今の時代もあるだろうが!」


「ははっ」



水で洗い流され、傷口がはっきりした肩の傷をミスがないように縫う。

深い傷。

よくこんな状態で今まで動いてたもんだ。
同じくらいの傷で死んだ仲間を見た気がする。

大丈夫なのか?

いや、大丈夫だから俺の時代銀時がいる。



「銀時…」


「なんだ?」


「お前は死ぬのが怖くないんだな」


「何だ?勝手にキャラつくるなよ」


「傷つくことが怖くないみたいだ」



縫い終わり、制服をちぎって包帯代わりに巻いていく。
それまでずっと銀時は黙って、終わったと同時に口を開く。




「………お前さ…」


「土方だ」


「あぁ?ああ…土方は…俺を少しは知ってるんだよな」


「あぁ」


「俺…誰かと…一緒に暮らしてた?」


「あ?…あぁ、暮らしてた」


「大切そうにしてた?」


「まぁ、そうだな」


「なんか…大人というか…おっさんと飲みに行ってた?あんたとじゃなくて」


「誰がおっさんだ!!…まぁ、行ってたよ」


「なら、いいんだ…」


「…なにが…?」


「…それならいい」


「………いい?」




そう言って、銀時は立ち上がった。





「俺はさ、そのために生きてるんだ」


「どういう意味だ?」






なぜ、そんなに嬉しそうな顔をしてる?


誰かと暮らして、オッサンと飲みに行くことが 仲間よりも大事…?








いや、それが支えてるんだろう。







なぜ?








俺は、その向けられた銀時の笑顔が、怖いと思った。












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