銀時と高杉は、俺について来るように言った。高杉は前を歩き、銀時は欠伸をしながら俺の後ろを歩いた。

しばらくして到着した寺の中に案内して、銀時と高杉は座るように言った。


「ちょっとズラと辰馬よんでくる」


「いや、俺が行くよ。俺と二人きりなんてこいつ怖がるだろ」


「なっ!」


「お前は疲れてるだろ?」


「別に平気だ」


「どっちが行っても同じだよ」


見たこともない優しい顔で高杉は銀時に言って軽く笑って部屋を出た。



「仲、いいんだな」


「なに、嫉妬?」


「馬鹿言うな」


「お前、なんであいつを殺そうとしたわけ?」


「……あいつは何人も人を殺すんだよ」


「あいつは虫も殺せなかったやつだぞ…?」


「今はどうかなんて知らねーよ。未来じゃぁ虫殺すみたいに人間殺してた」


「みらいね…」



子供のつくり話を聞く大人のように 銀時は俺の話を聞いた。




「…俺たちさ……負けたんだろ?」


「……」


「心配すんな。俺も高杉も桂も坂本も、勝つためにやってねぇしな…。みんな、元気か?」


「あ、あぁ…」


「なら、いい。……ただ、お前がカラクリ扱うようには見えないけど?」


「俺の話、信じるのか?」」


「別に。信じて悪い話じゃねぇだろ」


銀時が少し笑って、しばらく黙った。





仲間のことばかり考えているのがわかる。



「何人…生き残ったか…わかるか?」


「…いや…」



だから、失った未来であんなにも悲しそうなのだろうか。





「わからない」


「そっ、か…」




誰が攘夷戦争の生き残りかわからない。



なぁ、




ここまで仲間を大切に思っているお前は……



嘘か本当かわからない、頭のイタい、己を突き飛ばした相手の言葉にすがるほどだったお前は、



どう思ってたんだ?



「何人…今生き残ったかわからない。でも…」


「でも、なに」


「ここに来るとき見かけたやつらは…」





「俺が、殺した」





信用してないからだろうかーー。




銀時はゆっくりと、





「じゃぁさ、お前は俺の敵ってことだな」




と言った。




否定する言葉はなかった。


銀時がそうだというからそうなんだ。



俺は銀時が今まさに護っているものを 奪うのが仕事だから。











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