無自覚な
銀時は可愛い。
万事屋で銀時の隣に座り、背もたれに身体を預けてウトウト眠そうなふりをしてやれば、にやりと笑ってキスをしてくる。
可愛い。可愛い。
俺はいつものように驚くふりをする。
「な、なんだよ」
「んー?いや、土方があんまりかわいいもんだからさ」
可愛いのはお前だっての。
やばい。あまりの可愛さににやけそうになる。
「なぁ、銀時…」
銀時は自分が上だと思ってる。俺が抱かれる方で、銀時が抱く方だと。ふざけるなと否定しようとしたが、あまりに銀時が可愛くて面白くなってやめた。
自分からキスしてきて、自分から抱き着いてきて、自分から好きだと言ってくる。
そのくせ………
「そろそろ…やりてんだが…」
そう言ってやれば顔を真っ赤にする。
「また、…こんど…」
いつも同じ繰り返し。
それもいいが…
我慢ができない。
そろそろ…いいよな?
力任せに銀時を押し倒し、唇を重ねる。
抵抗はなかった。
寧ろ 触れるだけのキスに「土方くん可愛い」と言って鼻で笑った。
いつものように銀時から俺の唇をなぞり、舌を絡めるキスを求めてくる。
まっ、もう好きにさせないけど。
しばらく口をふさげば、呼吸をしたくなった銀時が肩を押すが、聞いてやらない。
そのまま舌を絡め吸い上げ、唾液を流し込むと 「ん、ん、」と苦しそうに飲み込む。
「はっ…は、おまっ」
感じたように瞳を潤ませて見上げてくる。睨みつけてきているつもりだろうか…逆効果だよ。
想像以上の可愛さに興奮が高まる。
銀時がやるように 耳元で「可愛い」と呟くと身体をぴくりとふるわせた。
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