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帰ろうとする銀時に両手に手錠をかけて部屋を移動することにした。
横でガーガー喚くが 手が不自由な上、俺が居ないと手錠が外せないからか 大して暴れない。


「どーいうつもりだ…?どう考えても不当逮捕だろ?わけわかんねぇ」

「うるせー。おとなしくしてろ」

そう言ってもまた騒ぎだす銀時の声に驚いて 山崎がとんできた。
銀時は安心したように事情を話す。


「副長…さすがに旦那にこんな……」

「そーだよ土方くん。ジミーだって言ってんじゃん!」



バカだな。


理由なんざ、いくらでもある。



「これは取り調べだ」

「取り調べなら 取り調べ室が…」

「山崎、お前もわかってんじゃないのか?」

「何がです?」

「こいつは、白夜叉だ」



途端に山崎の表情も銀時の表情も曇り、何も言わなくなった。



「伊東の件で、河上万斉がヘリを攻める銀時に話していたのを 忘れたわけじゃねぇだろ」



こいつは、白夜叉だ。
そう言えば、誰も何1つ言えないだろう。

あくまでも過去だが、桂と仲があるのは明らかだ。不審な動きをしていないからと捨て置いたが、いつ活動するかわからない。
いつ、高杉と手を組始めるかわからない。

そして、もし手を組めば 誰もこいつに対抗できない。


肉体的にも、精神的にも。


それぐらい わかるだろう。




だから誰も、俺のこの行いに反抗できないだろう。



それでいい。








おとなしくなった銀時を連れて入ったのは、昔使っていた牢屋のような部屋。今は使っていないから丁度いい。


「お前…警告が目的かと思ったら何?俺を拷問でもしてぇの…?」

銀時は いつものように余裕があるように話した。


「拷問?されたいのか?」

「バカ言うな。俺は何も知らねぇし 何もしてねぇ」

「安心しろ。いや、お前にとっちゃ拷問なのかもしれねーな」

「あぁ?」

「今からお前を抱く」

「は?」


1歩1歩近づくと、銀時も顔を青くして後ろに退く。しかしそれはすぐに 閉まった扉によって行き場を失った。


「逃げんなよ」

「お、まえ…ふざけてんのか…?」

「ふざけてねぇよ。………言っただろ?」


手に入れたかったものが 目の前にある。


さすがに怯えたような目をむけてくる。その唇にゆっくりと自分の唇を重ね、堅く閉じたそれを舌でなぞると、身体を一瞬ピクリと反応させて素直に口を開いた。


口内を荒らす度に 喘ぎに似た甘い声が銀時から漏れる。


ヤバい。


声だけでこのまま軽く抜けばイケそうだ。それぐらいエロい。


バッと口を離すと、銀時の身体が床にずり落ちた。


「……ッ…ふ…、ん…っ…」


余韻に浸るかのように、両手に手錠をしたまま、手首を口に当てて乱れた息を正常に戻そうとする銀時。


その行動でさえ 腰にクる。



もっと、乱したい。


力なく誘うように麗せた赤い目で見上げてくる。睨んでいるつもりなのか。



我慢できなくなる。



「キス、抵抗しなかったってことはいいんだよな?」

「ふ、ざけんなッ…何がしてぇんだよ…」

「酷くされたくなかったら 下脱いで足開け」

「っ!!」


壁に縋ったまま本気か確かめるように 睨みとは違う目を向けてきた。


「はやくしろよ」

「や、っ…こんな…」

「うるせーよ。拷問に変えてもいいんだぜ?」


小さく声を震わせ、「それはやだ」と言って 素直にズボンと下着を脱ぐ。


着物から覗く白い脚に吸い付きたくなる。


「なんだかんだ言って勃ってんじゃねぇか…」

「うるせ…。もういいだろ…」

「バーカ。これからだろ」


無理やり仰向けに押し倒すと、短く悲鳴を上げて倒れ、何か言い出す前に深くキスをする。


「ん…、…っ…ふ、……ゃ、ん」

くちゅくちゅと音を立て、舌を軽く噛むと、抵抗するように押し当てられた銀時の手の力が抜けていく。


顔をあげればキスだけでとんでもなく色気を増させた顔が映る。

銀時の自身から出た密が 着物にシミをつくる。


虚ろな目。



「そんな目で見なくても…くれてやるよ」




弱みを握って めちゃくちゃにすればいい。







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