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あれから、6日経っても連絡がないけど、よっぽど忙しいんだろう。

自分から連絡するのも悪い。


四六時中携帯を片手にドキドキしてる、なんて女みたいだ。


なんかむずがゆくて仕方なかった。


明日になったら、電話してみよう。



明日になったら。





昼間とかは仕事をしている気がして、夜まで待てないから 迷惑だろうと思ったけど朝はやくに電話した。


けど、土方は出なかった。





代わりに、ちょうどいいタイミングに微かに音がした。





気のせいなんかじゃない。




聞こえる。




何度も聞いて覚えた音が…



真選組の車のエンジン音が、聞こえる。



そして、階段をのぼる音も。





はやく仕事終わったんだ。なんだよ…連絡してくれれば良かったのに。





勢いよく玄関に走って、やがて扉が開いた。




でも、そこに立っていたのは、土方じゃなくて、沖田くん。そして、その他の隊士数名。






「あれ?土方は?」


「この中でさァ…」



そう言って、沖田が下がると、隊士たちが何かを玄関に置いた。






大きな大きな、





箱を。






「えっ?」


何これ、プレゼント?


「旦那……落ち着いて、聞いてくだせェ……」




なんで、みんなそんな…悲しそうな目をしてるんだ?










「土方さんは…昨日、死にました」









言葉が、出なかった。




「死んだんです…」




「うそ…」



「嘘じゃねー…だから仏さんもつれて来たんだ」




たった1言聞いただけ。


なのに、気がつけば呼吸がうまくできなくなってて、歯がガチガチなってる。




嘘なのに。




「見て、確認しろってか?」




嘘に決まってる。





だって、






恐る恐る開けたその箱の中に居た土方は、








眠ってるみたいな、綺麗な面してるから。








ほら、嘘じゃねーか…








嘘じゃねーかよ。








土方は死なない。









約束したんだよ。








なのに、








なんで、








なんで、








土方、こんなにカタイんだ?








なんで、土方のほっぺた…








カタイんだ?






これ………





「っあああああああああーーーーーーーーー!!!!」








それは、突然に……。




5月11日。







誕生日が過ぎて、1週間もしないうちに、








土方は、死んだ。











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