内緒 | ナノ




内緒




「臨也さん!」
「やぁ帝人くん、どうしたんだい?」

仕事の帰り道
俺の前に帝人が現れる

「あの、その…」
「帝人くんから逢いにくるの初めてじゃない?」
「そ、そうですか?」

挙動不審

(怪しい)

俺はかまをかけた

「あ、そういえば今日さ波江さんからケーキ貰ったんだけどこれってどうゆう意味だと思う?」

「わかりませんね…」

目が泳いでいる

(やっぱり)

確信した

「帝人くん」
「は、はい!」

声が裏返っている
「何か隠し事してるでしょ」
「う…、なんの事ですか?」
白を切る帝人くん
「嘘ついたってばればれだよ」
「〜っ、これ…どうぞ」

観念した帝人くんは俺に箱を差し出す

「これは?」
「お誕生日おめでとうございます…。内緒にしてたのに…」

少し残念そうに俯く帝人くん

「ありがとう」


俺は帝人くんを優しく抱き寄せた



END


加筆:20110904.