君の全てを知っている | ナノ




君の全てを知っている




『すみません、今日は休ませて下さい』
今朝、正臣君から1本の電話がかかってきたいつも通りの態度だった
なのに何故か引っかかる
何かが、何かが引っかかった

「…、そうか、声か!」

今日の正臣君の声はいつもよりかすれていた


***


-ピンポーン-

「ん…」
チャイムの音で目が醒めた
頭がずきずきする
どうやら風邪をひいたらしい

「あー、頭痛ぇ…居留守使おうか…」

再び横になる
-ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン-

「どんだけしつこいんだよ…」
しばらくすると静かになった

「なんだよ」



ガチャ



「!?」

扉の開く音が響いた
(なんで鍵が開いた?寝る前にしっかりしめた筈…、まさかブルースクウェアが仕返しに…そんな筈は…)
一度パニックに陥ると冷静にはなれない





足音が近づく






扉の前で止まる






(来るっ)
俺は構えた





「誰「正臣君?看病に来たよ」…、え?臨也さん…?」

予想外の人物に目をぱちくりした

「なんだいその目は。幽霊でも見た様な顔して」
「なんで?」

口が勝手に動いた

「なんでってそんなの決まってるじゃないか。恋人が風邪なのに看病に来ない彼氏はいないだろ?」
「違って何で風邪だと…」

「あぁ、それは電話の声がかすれていたからね。俺が来て不服かい?」
「いえ…」

この人はもう変人の域を越しているのかもしれないと俺は思った
「まぁ、とりあえず看病するし寝転んで」
「はい」
臨也さんの言葉に従い素直に寝転ぶ

「今日は随分素直だね。風邪のせいかな?」「うるさいです。静かにして下さい。臨也さんの声が頭に響きます」

急に恥ずかしくなりいつも通り悪態をつく
「やっぱり、正臣君はこうでなくちゃ」
臨也さんは嬉しそうに俺の看病をし始めた


END


突然企画のリクです
本当に突然すぎてどなたも来られないだろうと思っていたので参加してもらいとても嬉しいです
りさ様に捧げます


加筆:20110904.