ふわふわの幸せ | ナノ




ふわふわの幸せ




僕はウェディングドレスを着て畳に座っていた
「み、帝人くん…?」

僕の愛しい人は僕を見て立ちすくんだ
「なんですか?臨也さん」
「それ…」
「あぁ、これですか?ふふ、綺麗でしょ。路地に捨ててあったものなんですよ」

僕は立ち上がりくるくると回った

「でも、その色」
臨也さんは僕を指指して言った

「血ですよ」
僕のね と答えた

くすくすと笑いながら僕は臨也さんに答えた


***


何故か分からないけど衝動が1ヶ月に1回きた

「…つ」

何度目か分からない自傷行為
傷と共に増えていく不快感

(気持ち悪い、気持ち悪い気持ち悪い…)

血が流れでる
僕が出ていく

「あーあ、何してんだろ…」
疲労感が僕を襲った

(臨也さんが見たらどう思うだろうか…)

僕は手首は切っていない
ずっと太股を切っている
その傷を臨也さんに見られたくないから、俺は臨也さんからの誘いには乗らなかった
「ふ、…うぅ…」

涙が出る
悔しさと悲しさと辛さがぐちゃぐちゃに僕の心を乱した
一頻り泣いた後、この場所を離れた
これ以上ここにいたら自分ではなくなってしまうような気がしたから

***

帰り道にウェディングドレスが捨ててあった
誰かが捨てたのだろう
純白のドレスは路上に不釣り合いだった
ふわふわそうだった
幸せの象徴

(僕と正反対だな…)

そう思った
そう思ったら欲しくなった
少しでも幸せを手に入れたくて

手を伸ばし触る
柔らかくて温かった

僕は誰にも見つからないように家に持って帰った
そして着てみた
純白のドレスを汚れた僕が着た

苦しい
僕がドレスを着てはいけないように苦しくなる
僕は脱ぎたくなかった
折角幸せを手に入れたのに
手離したくなかった
だから僕は




汚した
僕の血で思いっきり




純白だったドレスは僕の血を吸い赤黒くなった

「…くす、あはははっ」
楽しくなってきた
いつもより出血していて頭がくらくらするけど不快感はなかった

ちょと間すると出血は止まり臨也さんが現れた
「あ、臨也さん。どうですか?僕、綺麗ですか?」
「帝人くん…」
「はい、何ですか?」
臨也さんは表情が凍りついている
「何してるんだい?」
「何もしてませんよ」
くすくすと笑って臨也さんに抱きつく


「臨也さんは」


ずっと僕のものですからね



END


何が書きたかったんだろうか分かりません取り敢えず帝人くんは病んでます

加筆:20110904.