小さい小さい物語 | ナノ




小さい小さい物語




「ねぇねぇ」
「んだよ」

「ねぇってば」
つんつんと俺のシャツの端をひっぱってくるのは

「だからなんだよ」
「お菓子買ってくれないの?」
小さくなった臨也だった


***


それは数日前
「やぁ、元気にしてた?」
突然声をかけられたと思えばそれは旧友だった
「んぁ、新羅か。なんか用か?」
そう訊ねるとまぁねと意味深に答えた
「取り敢えずさ、僕の家に来てよ」


***


俺は新羅に連れられて新羅宅に来ていた

「これ、なんだけどさ」

そう言って新羅は扉を開けた
「……。は?」
目の前に立っているのは紛れもなく臨也だった
しかし体のサイズが明らかおかしい
まず身長が俺の足位になっていた
それでいて……可愛い
臨也のトレードマークの黒いファーコートは着ていたがそのフード部分にはなんとも可愛いらしい猫耳がついていた
そのフードは今の臨也にとても似合っていた

「どうやらさ、俺の作っていた薬を飲んだらしいんだ」僕の許可も取らずに、ね と新羅は言った
「…、手前はなんて薬を作ってんだよ」
「ただの興味さ」

興味本位でこんなもの作ってもらっては困る
「まぁさ、連れて帰ってよ」
「…、はぁ?なんで俺が!」

大声をあげると臨也が振り向いた
自分の話をしているのが分かったらしく少し俯いた

「だって静雄達は付き合ってるじゃないか」
「なっ!?」

(なんで知ってんだよ)

「あぁ、臨也が言ってたからね」
「!?、手前…俺の考えてること分かんのか?」

「言わなくたって静雄の考えてることくらい分かるさ」

新羅が心底怖くなった


***


取り敢えず臨也を家に連れて帰った
途中すれ違う奴に白い目で見られたが気にしない

「臨也、何が欲しいんだ?」
「お菓子が欲しい」
「お菓子だぁ?んなもんねぇよ」
臨也はその言葉で拗ねたらしい
後ろを向いた


可愛い


普段の臨也も可愛いと思うが今日の臨也は倍くらいに可愛い
俺はショタ気があったのかと思うと少し悲しくなった

「臨也、お前どうしたいんだ?」
「うーん」
少し考えて答えた
「シズちゃんと一緒に住む」


俺は理性がもつ事を願った



END


久しぶりの更新です
何が書きたかったのか分かりません


加筆:20110904.