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火輪(その1)


 花火やむ あとは露けき 夜也けり
              ――正岡子規

   ***

 開戦当初、正規軍たる自衛軍は八代平原攻防戦において多大の損害をだし、回復のために本州以東での再編成を行なっていた。
 その為の時間稼ぎとして、実に一四二五六〇名に及ぶ学徒(中学強制徴募兵含む)がろくな訓練も受けないままに学兵として投入されたが、その九九%までが年内に戦死すると予測されていた(政府広報にはそんなことは一言も語られはしなかったが)。
 だが、彼らは望むと望まざるとに関わらずではあるが、敢然とその運命に立ち向かった。貧弱な装備と悪化しつつある戦況を己自身の身体と命をもって補うことで。
「死体をもって防壁を築き上げた」と形容されるほどの執拗な迎撃戦を展開、ついに、一時的にとはいえ熊本の幻獣勢力を一掃、人類優勢のまま自然休戦期に突入することに成功したのである。
 もちろん彼らも無事で済むわけではなく、五月一一日の時点での戦死者は、全軍の四割にあたる約五三五〇〇名に達していた。これはまともな軍隊なら全滅以上の損害と判定される程のものだった。
 それでも、彼らは生き残った。己の力で己自身の運命を掴み取って。
 ただし、だからといって彼らがそう簡単に開放されることはなかった。あえて原因を言うならば、彼らが戦争を「うまくやりすぎてしまった」せいだ、という所だろうか。
 政府は、このふってわいたような優勢の中で、自分たちが意外な新戦力を発見したと知ったのだ。
 当初、自然休戦期に入れば解散させられるものと見られていた学兵たちは、徴兵時に二年の兵役義務を負わされていたことを理由に徴兵解除が見送られ、引き続き現任所に留められた。
 政府としては、せっかくの新戦力を手放す気はさらさらないし、それに、一応勝利したとはいえ、あまりにも大きかった損害の実態を広められて、後方に余計な不安をばら撒かれてはたまったものではなかったのだ。
 ああだこうだと紆余曲折の末、学兵たちは実質開店休業状態に陥っていた。
 まあ、宙ぶらりんな状況でも、それでも明日の命をも知れぬというのよりは天国のように感じられたのも確かではある。
 となれば、せっかくだから骨休めを……と考えるのが自然な流れだが、どっこいそうは問屋が卸さない。大人だってそのくらいは考える。
 今度は文部省が、「彼らは仮にも学生であり、学生であるからには学業を本分とするのは自明の理である」と文句をつけ、学兵の教育強化を主張していた。
 その「自明の理」とやらを奪い取って戦地に赴かせたのはどこの誰であるかは綺麗に忘れ去って、である。
 とはいえ、いかに想像力にカビが生えていようとも、さすがにいささか罪悪感でも芽生えたか、従来の夏休みにあたる時期は対象の管轄外であり、特に授業を定めないこととなった。
 実質の夏休み宣言である。
 ではこれで万事解決か?
 とんでもない。
 いわゆる「夏休み」は、今度は軍によって、そのほとんどに土曜日に準じた授業・訓練日程が組まれていた。
 軍も彼らを貴重な戦力としての認識を新たにし、兵士としての質を維持したい(出来れば向上させたい)という思惑があった。
 まあ、そればかりではなく、学生としての権利を奪ってしまった彼らに、せめて少しは学生らしい時間を持たせようという詫びの意味も込められていた、のだが……。
 だが、これでおさまらないのは当の学兵たちである。文部省の仕打ちには耐えられても、このためだけにクーデターが計画されたとかされないとか。
 そりゃあ、こんな日程を設定されちゃあねえ……。
 学生にとっての楽しみ、そして最も「らしい」時間を過ごせるのは一体いつかということを考えれば、それが詫びになるかどうかなぞ、すぐに気がつこうはずなのだが……。
 それは五一二一小隊でも同様であって、だからこんな叫びも聞かれるようになる。

   ***

 一九九九年八月一〇日(火)。
 抜けるように澄み渡った青空から、灼熱の陽光が遠慮なしに降り注ぐ。気温はとっくに三〇度を超えており、街全体がまるで幻ででもあるかのように陽炎が揺れている。
 その、一角。
 尚敬高校の隅に間借りする形で建てられたプレハブ校舎も、これでもかというぐらいに熱せられていた。
「あー、めんどくせー! せっかくの夏休みのはずなのに、何でこうなるんだよ!」
 一組教室に、いささか虚しい叫びがこだました。
 空調なんていう気の利いたものはハナっからない教室はうだるような暑さで、空気までもが粘り気をもって体に絡み付くようだ。
 この温度と湿度に耐えかねたのか、滝川は鼻の頭に玉のような汗を浮かべながら、鉛筆を放り出して背もたれに体を預けた。鉛筆はノートの上をコロコロと転がった後、硬い音を立てて床で跳ね返る。
 黒板にはでかでかと「自習・戦術理論」の文字が書き込まれていた。戦闘期であれば絶好の整備時間なのだが、最近はどうやら字義どおりらしい。
 当然、教官の姿はない。
 それはともかく、滝川は後ろに引っくりかえりかねないほど反りながらため息をついた。背もたれが鈍い音を立ててきしむ。
「はあーあ、本当なら思いっきりハメを外せるはずなのによう……。なーんでこんな所にいるんだろうな、俺たち?」
 まあ、ごもっともである。
 お役所が徒党を組んで物事を決定するとこうなるよ、という典型的な見本といえるかもしれない(軍も役所の一種であることに変わりはない)。
 ちょっぴり、大人の小狡い面が浮き彫りになった一瞬でもある。
 と、つかつかと近寄ってくる足音があった。ふと目を上げれば、そこには舞が仁王立ちで彼を見下ろしていた。手にはいつの間にか先ほど彼が放り出した鉛筆を持っている。
「お前も何を言うかと思えば……。我らは学兵、学生で、兵士だ。両方の義務を負うのはむしろ当然であろうが」
 滝川が慌てて起き直るのを見て、舞は鉛筆を放り出すとふんと鼻を鳴らした。彼女にしてみれば、現在はたまたま一人の脱落もなく戦闘期をくぐり抜けることができただけであって、次もまた同じように切り抜けられるとは限らない。
 油断は禁物なのである。
「お前の言いたいことも分かる、つもりだ。確かに滅茶苦茶な論理だが……、だからといって休むわけにもいくまい?」
 彼女もこの小隊に配属されてから、余人の心情というものにもいささか目を向ける術を心得るようになったので、滝川の言ってる事は十分に許容範囲であった。
 だから、その声も表情も大して厳しいものではない。
 ない、のだが……。
「ちぇっ、そりゃ分かってるけどよ……、おい、そんなに怒るなよ、言ってみただけなんだから」
 肩をすくめながら滝川がそう言うと、舞の眉がほんの少しだけ吊り上がった。
 ……最近はだいぶ表情を表に出すようになったとは言え、微妙な部分については、いまだ一部を除いて理解されていないようだ。
 舞が今度は少し口調を変えて言葉を継ごうとした時、ガラス戸が勢いよく開いて、その少数派の一人がひょっこりと顔を出した。癖のある髪が風にふわりと揺れる。
 そのさまは戦闘ならいざ知らず、今はどことなく春風が服を着て舞い込んで来たといった感じだ。
 夏だけど。
「ねえ、ちょっとおもしろい話を聞いて来たんだけど……」
 速水はそんなふうに、彼らにとってのちょっとしたイベントになる話を切り出した。

   ***

「花火大会?」
「そ、今度の一五日だって。結構賑やかにやるみたいだよ?」
 速水の話は、要約すると次のようなものだった。
「火の国まつり 納涼花火大会」と名づけられたそれは、尚敬高校からも程近い、水前寺江津湖公園の上江津湖地区で行なわれる。花火の規模も約一〇〇〇〇発と大きく、圧巻はラストのスターマイン二〇〇〇発連続発射だということだ。
 もしこれが春であれば、そんなイベントを行なう余裕などどこにもなかったであろう。
 だが、幸いにして人類は戦況優勢なまま自然休戦期に突入することが出来、それに伴い僅かなりとも人々の心に余裕が生まれた。花火を楽しもうという心がいくばくか残されていたのである。
 それに、裏には民心の安定という猛烈に現実的な一面もあった。四月に行なわれた熊本城攻防戦において、熊本のシンボルとも言うべき熊本城は跡形もなく灰燼に帰し、市内は言うに及ばず、県内各所において戦争の爪跡は生々しく残っているのだ。市民の受けた衝撃は半端なものではなかった。
 だからこそ今、多少強引であっても人心の動揺を抑え、来るべき次の戦いに備える必要があった。あくまで今は一時的な「休戦」であって、嫌も応もなくこれからも戦いは続くのだから。
 だとすれば、このイベントの開催を望んでいるのはむしろ政府であった。極言してしまえばそうなるのかもしれない。
 まあ、そんなことは観る者にとってはどうでもいいことだった。お上の思惑がどこにあろうとも、人々は娯楽と安らぎに飢えているのは確かなのだから。
 事実、誰もが苦しいさなかであろうに、このイベントへの協賛・花火提供の申し入れはひきもきらず、そのため当初よりはるかに大規模な開催が可能になったという。
 人々のかける期待の大きさが推し量れるエピソードである。

 閑話休題。

 ともかく、このようにして舞い込んできた話に、小隊は一挙に沸き立った。一緒に話を聞き込んで来たらしい瀬戸口も、脇から口を添える。
「で、開催が今度の日曜日だから、幸い盆休みで完全休暇だ。どうだい? みんなで花火見物としゃれこむってのは」
 娯楽になぞとんと縁がなかったのは彼らとても同じこと。みんなが飛びつかないわけがない。そりゃ面白そうだってんでわれもわれもという話になったのだが……。
「やっぱ、こういうのって浴衣だよなー」
 という一言があったから話がややこしくなる。
 ……誰が言ったかは、あえて説明の必要もあるまい。
 その言葉にうんうんと深く頷いたのは、圧倒的に男子が多かったのだが、速水の次の一言は予想していたかどうか。
「だけど、浴衣持ってる人なんているの?」
「あ……」
 時間が、止まった。
 本来彼ら、彼女らは戦争をするために集められたのだから、もともとそんなものなど持っているはずもない。
 一部男子のやる気ゲージが見る見る下がっていくのが、手に取るように分かった。
 そのとき、いささかうさん臭い大阪弁が、やけに明るく教室に響き渡る。
「だーいじょうぶ! ンなものウチに任せときや!」
 その瞬間、さすが困った時の加藤商会(「だから、ウチは加藤情報産業や!」と、常々強硬に主張しているのだが、聞いている者はほとんど誰もいなかった)と、誰もが思ったことだろう。
ひょっとしたら、一部男子には後光すらさして見えたかもしれない。
 無論、錯覚であるが。
「加藤さん、大丈夫ってアテはあるの?」
 全員の疑問を代表する形で速水が問うが、加藤はむしろ自信たっぷりで、
「ま、蛇の道は蛇ゆーてな。その辺はウチに任しといてんか。絶対、損はさせへんで!」
と言いながら、ドンと胸を大きく一つ叩いたのだ。
 何人かはいささか疑わしげな視線を向けていたものの、彼女は彼女でそれなりの成算あってのことであった。
 小隊の台所奉行、事務官たる加藤のツテは、軍の補給段列やヤミ屋まがいのブローカーばかりでなく一般商店の類にもそれなりに広がっているのだ。いかに彼女が小隊の補給維持、特に食料・医薬品等の生存補給に尽力していたかが伺える。
 それを彼女はフルに利用した。
 結果がでたのは三日後のことである。
 とある衣料品店が既製品、それももともとは死蔵品であったものでよければ、人数分を格安でまわしてくれるとのことだった。死蔵品に金を取る根性も大したものだが、まあ、その辺は手間賃のようなものだ。
「ほらみい、ウチに任しておけばこんなもんや! あ、みんな代金は忘れずになー」
「え! 金取るのかよ?」
「当たり前や! ウチの活動は決してボランティアやないんやで! さ、言いだしっぺがケチくさいこと言わんといてや」
「ちぇっ、分かったよ……」
 てなやり取りもありはしたが、かくして、文字通り装いも新たに、小隊総出で花火見物としゃれ込むこととなったのである。

   ***

 八月一五日(日)。
 今日も朝からよく晴れ上がり、午後の暑さを予感させるような強い日差しが遠慮なく降り注ぐ。
 だが、この天気なら夜はさぞかし、と思わせるほどに空には一片の曇りもなく、目に痛いほどの青空がどこまでも続いていた。
 特に何を記すという日ではない。よくあるような夏の一日が始まる。強いて言うなら日曜日である、ということぐらいであろうか。
 そんな平凡な一日の昼はつつがなく過ぎ、どうということもなく日が傾き始めた。
 日差しが徐々に弱まりつつあるころ、プレハブ校舎の辺りには三々五々と人が集まり始め、教室の机を片付け始めた。ある者は床にキャンプ用のシートを敷き、別のメンバーは何やら袋詰めにされたものをえっちらおっちらと持ってきて、残された机に広げる。
 もちろん、浴衣の着付けのためにである。
 浴衣そのものはどうにか数をまかなうことが出来たが、着付けが出来る者がほとんどいなかったのだ。
 そんな重要な事実に気が付かなかったのはうかつとしか言いようがないが、ここまで来たからにはにはやるしかない、と(特に男子は)考えた。
 幸い、男女ともに着付けの心得を持つ者がいたので、他の者の面倒を見てやることで一応解決を見たのであった。
 男子は一組、女子は二組と二手に別れ(二組の窓には隙間なく目張りが入っていた)、それぞれ着付けにかかることにした。
「おい」
「ああ、わかっとう」
 その時、滝川―中村ラインで何やら怪しげな目配せが交わされたのには誰も気がつかなかった。

   ***

「なあ、何でわざわざンなもん巻かなきゃいけねーんだよ?」
 田代は手渡されたタオルをひらひらさせながら、いかにも面倒くさいです、と言う顔をしながら言った。本来なら着物用の肌襦袢や裾よけが必要だが、さすがにそこまでは手が回らないので、今の田代はタンクトップとスパッツ姿である。
「浴衣着る前にカラダ補正するデス。田代サン、スタイルいいデスから、ちゃんとしておかないと着崩れるデス」
「はーん……?」
 今ひとつ要領を得ないといった田代ににっこりと微笑むと、ヨーコは手早く四つ折りにしたタオルを腰にあて、更にタオルを巻いて紐でとめていく。
 浴衣はもともと直線断ちの直線縫いなので、ウエストのくびれなど、身体の凸凹のある部分にはシワがよりやすく、着崩れの原因になるのだ。
 そのために、筒型の体型に近くなるよう、補正する必要が出てくる。
「ハイ、これで良いデス」
「へー、なんつーか身体が引き締まる感じだな……。まるでサラシだな、こりゃ」
 田代は腹の辺りをぽんと叩きながら、何の気なしに言ったのだが、周囲の動きが一瞬だけ止まった。
 どうやらそこにいた全員が、ねじり鉢巻にはっぴ姿、それにサラシをキッチリ巻き込んだ田代の姿を想像したらしい。
 似合いすぎ。
「極妻っていうのもありかしら……」
 原がボソリとなんとも物騒なことを呟いていたが、幸いにもそれは誰の耳にも届かなかった。
「ハイ、これでOKデス。……舞サン、どうかしたデスカ?」
「え? い、いや何でもない。ちと考え事をしていただけだ」
 なぜか舞は真っ赤になりながら慌てて否定する。ヨーコが不思議そうに首をかしげながらも立ち去ると、舞はため息をつきながらそっと胸元に視線を落とした。

   ***

 一方、男性側はというと……。
「何で俺がお前らの着付けなんか面倒見なきゃならないんだよ。どうせならお嬢さん方のほうが……」
 ぶつぶつと言いながら、それでも意外と確かな手つきで次々と浴衣を着付けさせていく。
「へえ、瀬戸口君うまいんだね」
「ま、これでも結構着慣れてるからな……」
 後半は少し口を濁しつつも、手は休まない。たちまちに浴衣部隊の出来上がり……と言いたいところだったのだが。
「おい、なんだか俺たちのは少し短くないか?」
 ほぼ全員が終わったかと思う頃に、袖口をつまみながら若宮が言った。よく見れば確かに少々足元が短いのか、くるぶしの上、すねの近くあたり辺りまでがはみ出ている。
「……確かに、短いな」
 浴衣に帽子姿という来須も頷いて同意を示した。周囲にちらりと視線を向けた後に、深く帽子を被り直してしまう。
 更に言うなら足元ばかりか袖丈まで少々短いらしく、なんだか浴衣というよりは、丈の長いはっぴでも着ているような錯覚さえ起こしそうだ。
「しかしお前さんたち、これじゃまるで子供の普段着だなあ。虫捕り網やむぎわら帽子が似合いそうだ」
「普段着……って、いくらなんでも最近そんなスタイルの奴なんていないんじゃないのか?」
 若宮が不思議そうに首をかしげると、瀬戸口は額に汗を浮かべて言った。
「え、あ、そうだったか? ははっ、ちょっと勘違いちしまったな。ま、まあそれじゃいくらなんでもまずかろうし、確かもっと大きいのが……あれ?」
「どうかしましたか?」
 裁断から何から、一目で特別誂えというのがわかる浴衣姿で遠坂が訊ねた。
 ……なんでもいいが、たもとがやたら膨らんで見えるのは気のせいか?
「なんだか人数が少なくないか?」
「え? ……あ、ほんとだ。滝川がいないよ?」
「中村クンもいませんねぇ? さぁて彼らはどこに消えたのか……。これがウワサに聞く神隠し? フフフ、スバラシィッ!!」
「んなわきゃないだろうが……。おかしいな、どこ行きやがったんだ、あいつら?」
 などと言いながら皆が辺りを見回し始めた頃、魂切るような悲鳴が聞こえてきた。
「な、なんだ!?」
「隣だ、急げ!」
 たちまち緊張に顔を引き締め、どやどやと教室を飛び出していく面々。
 ……ほとんど浴衣姿なのだから、考えてみれば間抜けな姿ではあるが。
 廊下に出てみると、二組からも数人が飛び出してきた。こちらも浴衣姿だ。
「どうした、何があった!?」
「どうしたもこうしたも……!!」
 先頭切って飛び出してきた田代が、怒りの形相もあらわに叫ぶ間もあらばこそ、裏手のほうから新たな叫び声と、柔らかいモノが落下する音が二回響いた。
「……あー、田代さん、大体分かったからいいや」
 男子全員がうつろな笑いを浮かべる中で、代表するように速水が力なく呟いた。
「でも、ちょっとこれはキッチリとしておかないとね」
 その言葉に数人が頷くと、そのまま階段を下りていった。
 見送った者たちの目には、彼らの背中に黒い炎がハッキリ見えたという。
(つづく)


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