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追憶(その2)


 それでも、どうにかこうにか真相が理解できたわけであるが、そのころにはすでに太陽はだいぶ西に傾きかけていた。
 ふたりはどちらからともなく席を立つと、とぼとぼと自宅への道を歩いていった。
 舞は、俯き気味のまま何も言わぬ。心の中に長い間たまっていたものを吐き出したとはいえ、そう簡単には整理がつけられないのであろう。
 だから、速水もあえて何も言わなかった。
 ふたりは無言のまましばらく歩いていたが、とある辻にさしかかったところで、舞の足がぴたりと止まった。
「舞、どうしたの?」
「今日は手間をかけたな。……すまぬが、少し疲れた。ここで帰る」
「え? ……あ、うん、分かった。じゃあね」
 沈み気味の舞の声に胸がうずきはしたものの、速水は何も言わずに笑顔を浮かべた。
 今は、しばらく時間を置くべきだ。そう思えたのだ。
 舞は一瞬それを眩しそうに見つめると、ふい、と視線をそらせてしまった。
「……すまぬ」
 口の中で呟いた言葉は、果たして聞こえたかどうか。
 彼女は後ろも振り返らずに、早足でその場を立ち去った。ひとり残された速水は、しばらくの間夕闇に消えていく彼女の後ろ姿を見つめていたが、肩をすくめると、大きく息を吐いた。
「……僕に、謝ることじゃないんだけどなあ」

   ***

 光の洪水、というにはいささか物足りないが、それでもさまざまなネオンサインやイルミネーションが通りを明るく照らしていた。
 舞はあてもなくうろついているうちに、いつの間にか、再び新市街に戻って来てしまっていた。
 足取りは力なく、肩をがっくりと落としての落ち込みっぷりは、これが芝村の末姫かとあるいは目を疑いたくなるほどのものである。その表情には、いつもの覇気はかけらも存在していない。
「ふう……」
 幸せが逃げていきそうなため息をつきつつ、舞は新市街の中をとぼとぼと歩いていった。
 戦争の影響がここに及んでいないといえば嘘になるが、それでも市内中心部ではいまだ大規模な戦闘が発生していないこともあって、かなりの賑わいを残している。
 よく見れば、先ほど速水が案内した店のほかにも、食事ができそうな店がいくつか、いまだに閉鎖することもなく営業を続けていた。
 だが舞は、それらの店にまったく関心を払うことなく通り過ぎていく――つもりだったのだが、とある店の前を通り過ぎようとした時、店先に置かれたショーウィンドーにたまたま視線があった。
「あ……」
 驚きが、かすかな叫びを押し出させた。
 彼女の目の前に燦然と輝くは、先ほどとディスプレイは多少違うものの、紛れもないお子様ランチではないか。
 思わぬ出会いに、舞の思考は一瞬だけだがショートした。額に汗が浮かび、心臓の鼓動が急速に高鳴っていく。
 不意にひとつの衝動が生まれ、そしてそれは急速に膨らむと狂おしいまでに彼女の胸を締めつけた。
 ――もしあれが、父の虚偽に過ぎないというのならば……。私は、私は!
 舞はショーウィンドウを睨みつけていたかと思うと、やにわに決意に満ちた顔を上げ、何者にも止められぬ勢いで入り口に向かって進撃し始めた。
 だが、その足はあと数歩もなく店内に入れるというところまで来て急速に鈍り、やがて完全に止まってしまう。彼女の顔にはためらいの色が浮かんでいた。
 ――だってさ、普通はお子様ランチっていえば、小さい子が食べるものじゃない。
 先ほどの速水の言葉が、頭の中で幾度もリフレインを繰り返す。それにレストランの客やウェイトレスの笑い声、自分自身の叫びが重なった。
 ――子供扱いするな!
 それらが彼女の足を押し止どめる。いまや舞は、どうしても次の一歩が踏み出せなくなっていた。
「あの、すいません。通ってもよろしいですか?」
 不意に背後からかけられた柔らかい声に、舞は慌てて振り向いた。
 見れば、主婦とおぼしき女性が、困ったような表情を浮かべて立っているではないか。
「な、なんだ?」
「その、お入りになられるのですか?」
 女性はなおも笑みを浮かべながら、ていねいに舞に話しかけてくる。それでようやく舞にも現状が把握できた。
 確かに、まるで仁王よろしく入り口の前に立ちはだかられては、通れるわけがない。舞の制服と、なによりも彼女自身の年齢に遠慮したものか、女性の態度はあくまで控えめであった。舞は慌てて入り口から飛びのいた。
「あ、ああ。これはすまぬ。いや、今帰ろうとしていたところだ」
「そうですか、それでは……」
 女性は一礼すると店内へと入っていく。よく見れば、その後ろには年端も行かぬ少女がちょこまかと後についていた。はにかんでのことか、ずっと母親――たぶんそうなのだろう――の後ろに隠れていたらしい。
 ふたりが店内に入ると、女の子が嬉しそうな声を上げた。
「お母さん、今日は本当に何を食べてもいいの?」
「ええ、いいわよ。今日はあなたのお誕生日ですものね。なにがいいかしら?」
「えーとね、えっと……。じゃあ、お子様ランチ!」
 その言葉を聞いた瞬間、舞は自分の中の何かが激しく殴られたような、そんな気がした。不意に目尻が熱くなりかけ、慌てて目許をこすりあげた。
 女の子の表情は明るかった。
 ――そうか、やはりお子様ランチは小さい子のものなのか。決して、私の物ではないのだな……。
 舞は今、その事実を理解した。理解せざるを得なかった。
 どこかでかすかに期待していた何かが、音を立てて崩れ去っていくのを、舞は呆然と見送るしかなかった。
 ――求めるものが得られると、人はこれほどに明るい表情を浮かべるものなのか……。
 舞は思わず目をそむけるときびすを返し、決然とした足取りでその場を後にした。

 舞が通りの向こうへと姿を消すと、店の陰から速水がひょっこりと顔を出した。
「気になってついてきちゃったけど……。このまま、放っておくわけにはいかないよね」
 いかなる理由があるにせよ、自分も舞の「夢」を壊す一因であったのには間違いないのだ。
 速水は小さく息をつくと、彼女に気づかれないようにやや距離をとりながら、そっと後を追いかけ始めた。

   ***

 とっぷりと暮れた町の中を、舞はさらに肩を――心の中でだけ――地面まで落としつつ歩いていった。彼女の後ろを、街灯に照らし出された影がひっそりと追いかけていく。
「……我ながら、情けないことだな。いつまでも過去にとらわれるなど、まったくもって芝村としてふさわしからぬ……」
 だが、口ではそう言いつつも、己の心にはまた別の意見があることを舞は知っていたし、それを押さえつける気などさらさらなかった。
 それはいつでも彼女と共にあった。ただそれは、かなえようがないだけなのだ。
「……ふっ」
 寂しげな笑みを浮かべ、家路への道をゆっくりと、とぼとぼと歩いていく。と、新市街ほどではないが、明るい光が舞の目に飛び込んできた。
「……?」
 顔を上げれば、目の前に現れたのは彼女もよく使っているスーパーマーケットだった。
「もう、こんなところまで来ていたのか……」
 舞は、そのまま歩き去ろうとしかけ――不意にその場に立ち止まった。
 何かが、彼女の心にひっかかった。だが、それが一体何であるのか、それがよく分からない。
 しばしその場に立ち止まっていた舞だったが、やがてその顔に驚きと、そして理解が広がっていく。
 心の燭台に、灯がともった、そんな感じだった。
「そうか! 外で食せぬのならば、せめて自分で……!」
 初志貫徹、ここにあっさりと崩壊である。
 そのことに気がついたのか、舞は幾分うなだれたが、すでに「カダヤと共に食す」という方策はすでに失われた以上、自ら作るしかない。
 心が痛まぬといえば嘘になるが、大事の前の小事と割り切ることに決めた。
 多少強引に論理のすり替えが行われたような気もするが、ともかくその瞬間、舞は心の中の霧が一挙に晴れ渡っていく想いを味わっていた。
 だがそこで、次なる難関があることに気がつき、彼女は困惑の表情を浮かべた。
「しかし、メニューが……」
 思い出すのは造作もない。あのイメージは、今も胸の中に鮮明に焼きついているし、今日サンプルを見ることもできた。
 だが、それらは今の思いつきのショックであろうか、いささかごちゃまぜ気味に記憶の海をたゆたっている状態であったし、細部となると、どことなくもやがかかっており、なかなか全貌を思い出せぬ。
 彼女は脳内検索を最大限に活用し、記憶の奥底から思い出せるだけの知識を片っ端から引っ張り出した。
 ……同時に、思い出さなくてもよかった記憶までいくつかぽこぽこと浮かび上がってきてしまったが、それを舞は必死の思いで再び沈めていく。
 世の中、忘れておいた方がいい記憶というのも確かに存在するのだ。
 それでも不安をぬぐいきれなかった舞は、作り溜めておいた攻撃型電子妖精を発動し、更なる情報収集に努めた。
 電子妖精は無数に張り巡らされたネットワークを巡回し、情報を貪欲に収集していく。舞の元に一通りの資料が揃うまでに、大した時間はかからなかった。
 どうでもいいのだが、果たして彼女は「牛刀をもって鶏を割く」という言葉の意味を知っているのだろうか?
 ……深くは問うまい。
 ともあれこれでメニューは確保できた。
「ふ、ふふ、ふふふ。これで、これでついにお子様ランチを我が下に……!」
 人通りも決して少なくないスーパーの店先で、握りこぶしを固めながら少女がぶつぶつと小声で何事かを呟いているのは、実になんとも異様な光景であった。周囲の客は、彼女を刺激しないよう慎重にコースを替えながら避けていく。
 触らぬ舞に、たたりなし。
「よ、よし! あとは行動あるのみだ!」
 舞は決意に満ちた顔をスーパーに向け――同時に、周囲がさらに距離をおいた――喜び勇んでいざ進軍、といきかけたその段階になって、彼女は更に高いハードルがあることに気がついた。
 ――わ、私に……作れるのか?
 それはどちらかと言えば、真っ先に気にすべき話題ではなかろうか。
 ともあれ、再びスーパーの前で彫像のように固まる舞であった。すでに周囲は気にする気も起きなくなったか、とりたてて変化はない。それよりも気を配らねばならない状況はいくらでもあった。
 しばし頭の上に砂時計が浮かんでいた舞ではあったが、このくらいでくじけるわけにはいかぬ。
 もう、後はないのだ。
「為せば成る! 何事も為さねば成らぬのだ! 断じて通れば鬼神もこれを避く! 我が辞書に不可能という文字はないっ! 芝村舞、参る!」
 古今東西ごちゃまぜにやたらと勇ましく断じると、舞はスーパーの中へと足音勇ましく駆け込んでいった。
 なんでもいいが、そういうことは心の中でそっと呟くぐらいにしておいたほうが無難というものであろう。
 そうすれば周囲にくすくすと笑われることもないし、なにより、陰から見守っている者が盛大な土煙と共にひっくりこけることもないであろうから。

   ***

 いっとき、スーパーの店内は嵐が吹き荒れたようであった。
 口を真一文字に結び、早足で歩き回りながら有無を言わせずに食材を買いまわる舞の姿に、周囲の客は抗議することも忘れて遠巻きに見つめていたが、もとより舞がそれを気にしているはずもない。というより気にする余裕がなかった。
「こ、これだけ頼むっ!」
 代金を払い、怒涛の勢いで袋に荷物を詰め込んだ舞は、そのままの勢いでスーパーから姿を消した。
「なんだ、ありゃ……。まさか、戦闘でもあるのか?」
「まさか、警報だって出てないし」
「でも、なんだかただならぬ雰囲気だったわよねえ……」
 ようやく静かになった店内で、客たちは不安そうな表情を浮かべ、声を潜めて話し合う。
 ……制服姿の学兵が、とんでもない勢いで食材を買いあされば、それも無理のない意見であろう。
 俗にこれを「人騒がせ」という。

 大荷物を抱えながらよたこらと歩きつつ、どうにかアパートへと帰り着いたのはそれからしばらく経ってのことだった。
 今にも抜けそうになる階段をだましだまし上りきり、ふさがった両手で鍵を取り出すのに困惑しつつ、それでもどうにか戦果を室内に運び込むのに成功した時には、疲労ともまた違う汗が彼女の全身を濡らしていた。
「と、ともかく、第一段階は超えたと見ていいな……」
 まだどことなく荒い呼吸を整えつつ、舞は何事かをやり遂げた汗をぬぐった。
 だが、ともかく無事に作戦を終了し、家に帰りついたまではいいのだが、徐々に冷静になってみるにつれて、今度はじっとりと冷汗が額に浮かんできた。
 テーブルの上にはたった今買い込んできた食材の数々がこんもりと小山を作っている。
「む、む、むむむ……」
 大量の食材連合軍に包囲された台所軍司令官は、前線での激戦でも浮かべないのではないかと思われる苦汁の表情でテーブルの上を睨みつけた。
 ……第一、大根を何に使うつもりだったのだろうか?
 ――い、いささか舞い上がっていたのかもしれぬな……。
 あれでいささかというのなら、世の中には賢者かおっとりさんしか存在しまい。
 ともかく、眺めているだけでは何も始まらぬ。
 せめて整理だけでもやるかと野菜を手に取り始めたその時、ドアの方からやたらと聞き慣れた、脳天気とも言える声が流れてきた。
『舞、いるー?』
「あ、あちゅしっ!? いや厚志かっ! ま、待て……」
 なぜ、先ほど別れたはずの速水がここにいるのか理解できず、舞の思考は一瞬停止する。その間にドアは、ノブがカチャカチャ言っていたかと思うとあっさりと開いた。
「あはっ、来ちゃった……って……」
 手に合鍵を持ったまま、笑顔で入ってきた速水であったが、さすがの彼も、目の前に食材が山と積まれている状況は想像していなかったのか、思わず絶句してしまった。
 彼はしばしの間、ぽかんと口を開けたまま舞の作り上げたオブジェを眺めていたが、やがて顔をゆっくりとめぐらすと、呟くように言った。
「……どうしたの、これ?」
「な、なんでもない、ただの買いだめだっ!」
「か、買いだめ、ねえ……」
 速水は再び呆れたようにテーブルを眺めている。舞は顔を真っ赤にしながら俯いていた。
「ふーん? それにしても、またずいぶんとたくさん……」
 速水はしばらくの間小首をひねりながら何事か考え込んでいたが、何度か小さくうなずきながら笑みを浮かべると、舞の方を振り返った。
「まあ、いいけど……。でも、あまり買い込み過ぎて、また駄目にしたりしないようにね?」
「わ、分かっておる! と、ところでそなた、一体何の用で来たのだ?」
「ん? 用ってほどのものじゃないんだけど、さっきお昼食べ損ねちゃったし、やっぱりちょっと、その、気になったし……。よかったら晩御飯でも一緒にどうかな? って思ったんだけど……」
「あ……」
 その時になって初めて、舞は自分もかなり空腹を覚えていることに気がついた。
「そ、そうか……」
「うん、それでね、外に食べにでも……って思ったんだけど、そうかあ、買いだめしてあるんなら、これ、使わせてもらっていいかな?」
「なっ!?」
 意外な申し出に舞の目が大きく見開かれる。
「あ、いや、これは、その……」
「だめなの? あ、もしかしてこれってもう、何に使うか決まってるとか?」
 舞の心臓が大きく跳ねた。
「そそそ、そんなことはないぞ? ま、万が一に備えてだな、その……」
 普段の流暢さはどこへやら、しどろもどろと言い訳する姿を見ながら、速水は心の中でだけぺろりと舌を出した。
「じゃあ、特に決まってるわけじゃないんだね? 大丈夫、全部は使わないから、少し分けてもらえないかな?」
「……う、うむ、まあ、よかろう」
 舞がたいそう複雑な表情を浮かべて頷くのを見て、速水は食材の山から次々と使えそうなものを引き抜いていく。
「じゃあ、手早く作っちゃうから、舞はそっちで待っててよ」
 そう言うや、速水は手早くエプロンをまとうと、食事の支度に取りかかる。舞が何事か言う前に、見る見る野菜が刻まれていった。
 居場所がなくなったことを理解した舞は、ソファーにぐったりと身を預けると、ぼんやりと天井の模様を数え始めた。
 実は、今会話をしているうちに、自分で作る以外の方策があることに気がついていた。
 ――しかし、い、いかに目的を達するためとはいえ、これはさすがにちょっと、その、なんだ……。
 多分、成功の可能性は高いだろう。過去の経験からそれは間違いなかった。
 だが同時に、それは芝村としてあまりにも取るべき態度ではないという思いも同時に沸き起こっていた。いかに理屈を並べようと、それは自身のわがまま、欲望を優先させることに他ならないのだから。
 それに、あれだけ無理と言い切ってしまったものを、いまさら撤回するのも気が引けた。
 ――無理、だな。
 舞は、かすかに寂しげな表情を浮かべると、小さく息をついた。

「舞ー、準備ができたよ。悪いけど、ご飯をよそってくれないかな?」
「う、うむ」
 速水に言われるままに椀に飯を盛り、配膳を進めていく。
 飯に味噌汁、野菜の浅漬けに鮭の塩焼き。
 出来上がった夕食は、簡素ながらもしっかりと和風な食事となっていた。
「いただきまーす」
「い、いただきます……だ」
 速水の食事は腕が確かなこともあり、これはこれで結構なものであったが、舞の表情はいささか曇りがちのままだった。
 それに気がつかぬように、速水は汁椀を口に持っていった。
 あまり会話も弾まぬまま、滞りなく夕食が終わる。
「ごちそうさま。じゃ、今日は帰るね」
「え? あ、そ、そうか……。明日も早いからな、夜更かしなどするでないぞ」
「分かってる、じゃあね」
 階段のなる音を聞きながら、舞はいささか呆気に取られていた。
 いつもなら速水が、やれ泊まるだの何だのとかまびすしく、それを押さえつけるのにいつも苦労するのが常だったからである。
「それが、今日に限って、なぜ……?」
 考えてみてもとんと理由が思いつかぬ。それに今日はいささか思考も不調のようである。
「……まあよい、もう寝るとするか」

 一方、自宅に戻った速水は何やら台所でごそごそとやっている。
「えーと、あれとこれとこれ、これとこれはうちにあるから……。よしっと」
 彼の後ろには、いつの間に用意したのか数々の食材が並べられていた。
 もっともそのうちのいくつかは、さきほどまで舞の家にあったような気がするのだが。
「ふふっ、楽しみだなあ」
 速水は腕まくりをしながら、早速作業にとりかかった。


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