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その2


 戦闘自体はどうという事もなく終わるはずだった。戦場は既に数回出撃して勝手が分かっている球磨戦区だし、敵の兵力がずば抜けて大きいという事もなかった。むしろ、横列展開した士魂号が数度の射撃を行っただけで早々に撤退行動に入ってしまい、拍子抜けしたくらいだった。
「各士魂号は残敵の掃討に移行、スカウトはその援護として追従せよ」
『了解!』
 各機からの威勢のいい返事を聞きながら、善行は加藤を振りかえった。
「十翼長、指揮車を少し前進させてください。このままでは部隊との間隔が開きすぎる。瀬戸口百翼長。周辺警戒を厳にして下さい」
「了解。対物センサー及び対空レーダー、警戒続けます」
「了解。……司令、今回はえらく簡単に片付いたと思いません?」
「戦闘中ですよ、今は」
 そう言って軽く睨んだものの、善行は言葉を続けた。
「確かに、いつもに比べれば堪えがなさ過ぎる。だが、部隊が分断されるのも得策ではないですから」
 補給車のほうに敵が行ったらどないすんやろ?
 そう思いはしたが、隣接戦区で予備部隊が待機しているそうだし、いざとなったらそこに駆け込めばいいことを加藤は思い出した。
 そう思いながらやや指揮車を進めたとき、突然緊張した声が車内に響き渡った。
「センサーに実体化反応あり! 幻獣の増援が出現しつつあります! あ、また実体化反応! 敵は複数箇所で実体化しています!」
「げんじゅうじったいかそうすう、やく40なのよ!」
「まずい、この反応は……。敵は中型幻獣多数を含む模様!」
 オペレーターの2人が矢継ぎ早に報告を繰り返す。
「出現位置は?」
 いささか硬い声で善行が聞いた。
「第1群は今士魂号がいるあたり、第2群は……指揮車後方!!」
「!!」
 その声とほぼ同時に周囲の空間が揺らめき、幻獣が次々に実体化しつつあった。その紅い目が確かに指揮車を捕らえた。
「転進!! 幻獣の射程外に出ます! 各員に緊急連絡!!」
 その言葉を待つまでもなく加藤はアクセルをベタ踏みにする。エンジン音が急激に甲高くなり、次の瞬間指揮車は弾かれたように疾走しはじめた。指揮車の轍の後を追うように次々とレーザーが着弾する。
「きゃあっ!!」
「うわあっ! やれやれ、乱暴なもんだ……」そう言いながらも2人ともマイクは離さない。
「文句言いなや! これで命が助かるなら安いモンや!」
 素早くギアを切り替えながら加藤が応える。指揮車は瓦礫を踏みしだきながら道路へと出た。道路にも様々な残骸が残っているが、今までよりはマシだ。
「大通りを迂回しつつ撤退ラインまで後退します。正直揺れるからしっかりつかまっててや!」
「それはとても良くわかったよ……」
 後ろからやや情けない声が聞こえた。
 真っ暗闇の中、赤外線センサーがもたらす画像だけを頼りに加藤は指揮車をかっ飛ばす。神経接続の助けがあるとはいえ、かなりの難事である事は間違いない。
 どうにか少し開けた所までたどり着いた、と加藤が思った瞬間、脇道から一体のキメラが顔を出した。明らかにこちらを認めている。
「! 前方にキメラ! 距離150! 回避!!」
 そう言うが早いか加藤はブレーキを踏みこむと同時に操縦桿を大きく左に回す。20tの車体が軋みを上げ、タイヤは過重労働に悲鳴を上げる。粉塵の多い道路ではなかなかタイヤが噛みこめない。
「くっ! 踏ん張れ、踏ん張れ!!」
 車体が延々と流される中、横転しないように注意しながら後少しで脇道に潜りこめる所まで来た時、キメラは発砲した。
「発砲……!!」
 全ての言葉が実体化する前に、キメラの放った光の矢は指揮車へと命中した。

   ***

 キメラの放ったレーザーのうち、1発は車体右側を掠め、アンテナ群を基部から吹き飛ばした。これにより他との通信ができなくなったが、深刻な被害をもたらしたのはもう1発の方だった。それは車体前面やや左側に命中し装甲を貫通、車内をほんの僅か走った後左側面を再び貫通して抜けていった。このときにレーザーによって加熱された空気が爆発的な勢いで膨張し、車内に局地的な大嵐を破片と共に吹き荒れさせた。

 いきなり頬をはたかれるような衝撃を受け危うくハンドルをとられそうになった加藤だが、どうにか持ちこたえると脇道に潜りこむ事に成功した。キメラは意外とあっさり諦めると向きを変えて去っていった。
 陰に隠れられそうな窪みを見つけると、加藤は指揮車を停車させ、ヘッドセットを外した。とたんに車内の惨状が目に飛びこんできて、ひっと息を飲む。
 善行の顔面は血まみれになっていた。左肩に大きな破片が刺さっているのも見える。
 瀬戸口はがっくりとうなだれたまま動かない。目の前の機器がスパークを起こしていた。
 ののみもようやく椅子に引っかかっているといった具合だった。
「し、司令、瀬戸口君、ののみちゃん!? う、嘘や。ちょっとみんなしっかりしてや!!」
 そこまで言ったとき、もう1人の存在を思い出す。
「も、萌ちゃん! 大変や、みんなが……みんなが!」
 もしかして……。永遠に感じた一瞬の後、返事があった。
『どう……したの?』

   ***

 善行と瀬戸口は死んでこそいなかったが、善行は頭部と左肩裂傷、瀬戸口も右半身数ヶ所に破片が命中しており、共に意識不明の重体であった。
 ウォードレスを強制解除し、とりあえずの止血措置は行ったものの、このままではどうなるか分からない。
 ののみは気絶していただけなので、とりあえずベルトでシートに固定しておく。後の2人も床に寝かせるわけにもいかないので同様に固定した。震動による出血が心配だが今はやむを得ない。
 全ての処置を完了した石津が加藤の方に振りかえった。
「処置……完了……しました。これから……どう……なさい……ますか?」
「へ?」
 加藤は思わず耳を疑った。その様子を見た石津は悲しそうな表情で付け加える。
「今……最先任……あなた……」
「あ……」
 通常、軍隊で最上級者が指揮できなくなった場合には、その場にいる次に階級が高いものが全体の指揮を取る。最上級者がいなくなるにつれてそれが次々に繰り返されるのだ。今の例でいえば上級万翼長である善行と百翼長である瀬戸口が動けない今、十翼長である加藤が最先任という事になる(石津も十翼長だが、加藤が先に昇進したため、軍隊では上官として扱われる)。少なくともこの指揮車をどうするかは加藤の判断にかかっている事になる。
(整備班(テクノ・オフィサー)は小隊指揮に関する権限は持っていない)
「ちょ、ちょっとまってえな。そんな事いきなり言われても……」
 突然の事にうろたえた加藤だが、石津のじーっと見つめる視線に言葉が詰まる。仕方なく必死に頭を回転させ始めた。
「と、ともかく現在位置がわからんし、それを確認せなあかんな……。萌ちゃんはここでみんなの様子を見てて。うち、ちょっと偵察してくるわ。周囲の警戒を忘れずにな」
 石津は「了解……頑張って……」というと、砲座へと上がっていった。
 加藤はため息をつくと、ラックの中から普段触った事もないサブマシンガンと双眼鏡を取り出し、ハッチを開けた。
 廃墟となったビルに登り、辛うじて残っている目標物を確認する事で大雑把な位置を把握した加藤は、地図に現在地を書きこんだ。かなり大回りに走ってきたので補給車がいると思われる位置までは約10km。普通なら20分もかからないが、間に幻獣がいるからそういうわけにもいくまい。速水たちと合流するという手もあるが、通信機が使えない以上は補給車と合流する以上に可能性は低いものと判断せざるを得ない。
 加藤は最後に確認できた士魂号の現在位置や幻獣の推定位置が書きこまれた地図を見ながら考え込んだ。
「やっぱり、補給車と合流するしかないんかなあ……。でも、幻獣の真ん中を突っ切らんとならんか……」
 これからの苦労を考えると本当のところは泣き叫びたい所だったろうが、他者に対する責任を負っているという事実が辛うじてパニックに陥る事から加藤を救い出していた。
 なおも地図をためつすがめつ針路を検討していたとき、突然連続した射撃音があたりに響き渡った。指揮車の25mm機関砲の射撃音だ。
「こちら加藤! 萌ちゃん、何があったん?」
 辛うじて使える近距離無線で連絡をとる。
『幻獣が……接近中。戻って……!』
急いで地図をしまい、サブマシンガンを引っつかむと半ば転げるようにして指揮車へと戻っていった。
 瓦礫の中から辛うじて飛び出している格好の銃座から石津が連続して高速炸裂弾を叩きつけている。幻獣はまだ周囲を遠巻きにしているようだったが、襲いかかってくるのも時間の問題だった。
「萌ちゃん、ゴメン! すぐ発信するから攻撃を続けて!」
『了解……』
 返事を聞く間ももどかしく、ドライバーズ・ハッチから飛びこむと一動作でハッチを掴み閉鎖する。
 やがてアイドル状態にされていたエンジンが一挙に回転音を高め、指揮車は弾かれるようにしてその場を飛び出した。目の前に塀があったが、加藤は避けようともしない。
「萌ちゃん、頭下げて!」
 加藤はそのまま塀をぶち抜いた。
 そのまま指揮車はかつて道路だった所を疾走しはじめた。それを追いかけるようにレーザーの火線や生体ミサイルが続く。

   ***

 とりあえず突破する事に成功した加藤たちだったが、そのうちもっと厄介な相手が追いかけてきた。きたかぜゾンビが2機、追いすがるような格好で追跡を開始したのだ。
 きたかぜゾンビの20mmガトリング砲が唸りを上げ、タングステン弾芯が指揮車に襲いかかる。加藤は紙一重でそれをかわすが、幾つかは装甲に当たり――無気味な音を立てて弾かれる。命中角度が悪かったらしい。
 装甲車両は一般的に上面の装甲がひどく薄い(重量軽減のため)。車両にとってヘリや航空機が天敵になるのはある意味当然だった。
 やがてもう1機のきたかぜゾンビも射撃を開始する。このままいけばそう遠くないうちに穴だらけにされるのは確実だった。
「くうっ! こりゃあかんわ、もうもたんで! 萌ちゃん、なんとか撃てんの?」
『素早い……わ。狙いが……難……しいの』
「なんとか……。そや! 萌ちゃん、あいつらを呪ったれ! 人形のつもりで狙うんや!」
『でも……』
「早く!!」
『分かった……わ』
 石津は仕方なく、言われた通りにやってみることにした。モーターの電動音を唸らせながら照準するが、僅かに仰角が足りなかった。僅かに思案した後、加藤に言った。
「合図……したら……急……ブレーキ……かけて」
『……? 了解!』
 石津は銃座を前に向けると、慎重にタイミングを測った。
「今……!!」
 同時にタイヤがものすごい音を立てる。思わず前に放り出されそうになるのを必死で耐えた。きたかぜゾンビが急機動についていけず前にのめり出す……。
 そのとき既に石津は照準を合わせ終わっていた。一瞬きたかぜゾンビに藁製の人形の姿がだぶる。どういうわけかその刹那照準がより正確に定まった気がした。
(発射!!)
 石津は射撃ペダルを踏みこんだ。25mm機関砲が咆哮を上げる。曳光弾がグリーンの光の尾を引いて北風ゾンビに向かって伸びる。
 次々と咲く光の花。
 やがて、夜空に一際大きな大輪の花が咲き開いた。弾薬に誘爆したらしい。
 もう1機は、突然僚機が撃墜されたのに慌てたのか、僅かに針路を逸らし――結果的に横腹をさらす結果となった。
 もう1機が撃墜されたのはそれから5秒後だった。

   ***

 ――少し、調子に乗りすぎたかもしれんな。
 右に左に指揮車を振りながら、加藤は頭の隅でちらりとそんな事を考えた。
 2機叩き落されたのに刺激されたのか、続々ときたかぜゾンビが集結、都合4機に包囲される結果となった。そのうち1機は撃墜したものの、残る3機の集中射撃に石津も頭を上げていられなくなり、後はひたすら逃げるほかに手段がなくなってしまったのだ。車体への着弾も十数ヶ所にのぼり、まだ貫通はないものの、このままではそれは未来の既定の事実になることは避けられないようだった。
 加藤も既に両手は疲れ切っており、時々痙攣が走っていた。
 ――あかん……、今度こそホントに限界や……。
 そのとき、車体に不気味な震動が走った。車体がふらつき出す。
「しもた……! タイヤを持ってかれた!」
 左後輪がガトリング砲の直撃を受けて粉砕されていた。指揮車はタイヤを2つ持っていかれても走行できると言われているが、バランスが崩れるのは防ぎようがない。
「萌ちゃん、みんな、ごめん……」
 きたかぜゾンビが前方に回りこんだ。ミサイルを発射するつもりらしい。
「!!」
 加藤が観念したそのとき、きたかぜゾンビは火の玉になって吹き飛んだ。
「えっ?」
 降り注ぐ破片を慌てて避けながら、加藤は自分で見たものが信じられなかった。92mmライフルを構えた士魂号が目の前に立っていたのだから、すぐに信じろという方が無理かもしれない。その機体にはてるてる坊主のエンブレムが描かれていた。
「タッキー!!」
『おい、その声は加藤か? なんで連絡しなかったんだよ!?』
『ご無事ですか?』
 ウォードレスのレシーバーから聞こえるその声は確かに滝川と壬生屋だった。近距離なのでウォードレスの通信機でも交信には不自由しない。
「しゃあないやん、アンテナが全部いかれとるんや! それより司令たちがケガしとるんや、悪いけどこのまま突っ切るで!」
『お、おい……』
『祭、善行が負傷しただと?』
「舞ちゃん! そうや。早く治療せんとまずいんや!」
『分かった。原に連絡しておく』
『加藤さん、ここから補給車までは敵はいないからそのまま行っても大丈夫だよ。すぐそこだから頑張って!』
「速水君……、おおきに……」
 これだけの言葉を絞り出すだけで胸が熱くなる。だが、今はそんな事をいっている場合ではなかった。
「んじゃ、行くで!!」
『了解!』
 みんなの返事を聞きながら、指揮車は一路補給車に向けて脱兎の如く疾走した。

   ***

 なぜ士魂号が指揮車を見つける事ができたのか、タネを明かせば簡単な事だった。
 指揮車との通信が途絶した後、とにかく幻獣を殲滅すべく速水を司令代理として戦闘を続行。その後指揮車に一旦戻って再出撃に備えていたところ、きたかぜゾンビが何やら怪しい動きをしているは、いきなり爆発するはで皆の不審を買い、その予測進路上に展開させることになったというわけだった。
 指揮車は夜明け直前にどうにか補給車と合流。負傷した3人(ののみはしばらくして気がついた)は急ぎ病院へと運ばれていった。意識不明は相変わらずだが命に別状はなさそうだという。
 負傷者の収容が一段落した後、石津は負傷者についていってしまったため、加藤は1人指揮車の前でぼんやりと座りこんでいた。あまりにもたくさんのことがありすぎて全く頭の中が整理できていない。だから、後ろから誰かが近づいてくる足音には全く気がついていなかった。
「えっと、加藤さん?」
「!!」
 急いで加藤が立ち上がると、そこには速水が立っていた。
「本当に大変だったね、お疲れ様」
 優しい笑顔で言う速水に、とっさに言葉が出てこない。
「速水君……」
 加藤の中で張り詰めていた何かが音を立てて切れた。その両目に見る見る涙が盛り上がってくる。
「加藤さん?」
 気がついたときには、加藤は速水の胸のなかに飛びこんでいた。
「えっ? えっと、その、あの……」
「ごめん……。こんなのうちのキャラやないことはわかってるけど……。お願い……、少しだけこうしていて、お願い…… 」
 ようやくそれだけ言うと、加藤は静かにすすり泣き始めた。
 しばらく困惑していた速水だったが、やがて加藤を軽く抱きしめると、その髪を撫で始めた。加藤はその心地よさに身をゆだねながら、ただ泣き続けた……。

   ***

 しばらくして、ようやく加藤が顔を上げた。目にはまだ涙が残り、赤くなってはいたが、その顔には笑顔が戻っていた。
「速水君、堪忍な。変なトコ見せてしもたな……。でも、おおきに」
「いや……、でもよかった。加藤さんはやっぱ笑顔じゃないと」
 速水の言葉に加藤はちょっとだけ苦笑した。
「ホントやな。笑顔じゃないうちなんてホントうちらしくないわ。もう大丈夫や。んじゃ、うちもう行くわ。原さんに指揮車の燃料補給してもらわんとな。んじゃ!」
 そう言うと加藤は速水に一礼し――少し体をずらしてもう1回一礼すると、補給車のほうへと駆け去っていった。
「?」
「厚志よ」
 反射的にびくっとしながら振りかえると、そこには舞が立っていた。
「あ、舞! これは、あの、そのう……」
 舞は、しどろもどろになる速水を見つめていたが、やがてぽつんと言った。
「よい。分かっている」
「え?」
 訝しげな速水を無視して、舞は加藤が走り去った方角を見つめていた。
 ――祭の奴め……。
 その顔には微笑と苦笑がないまざったような表情が浮かんでいたが、頭を軽く一振りすると、今度は本物の微笑を浮かべ、そして非常に珍しい事に軽く頭を下げた。
 その様子を速水は半ば呆然として見ていたが、舞が自分の方を振りかえった途端、背中に冷や汗が噴き出した。舞は相変わらず微笑を浮かべていたが、それが微妙に変化しているようにみえたのだ。そう、例えるなら噴火の時を待っている休火山のような。
「厚志よ」
「な、何? 舞」
「さきほど、私が呼んだときにそなたは何故体を硬くした?」
 冷や汗の量が増える。ひょっとしたら額にも吹き出ているかもしれない。
「……今突然原因不明の炎が荒れ狂いだした。ちとそなたと話をする必要があるようだな……一緒に来い」
「え、えっと……」
「一緒に来い」
「……はい」
 半ば引きずられるような格好で速水は舞に連れられていった。内心で何が一体どうなっているんだろうと考えながら。



 かくして、戦闘は終了した。
 この日以降、加藤が速水に対して再びらしくない表情を見せる事はなく、相変わらず事務に指揮車の操縦にと縦横の活躍を示した。
 また、これ以降舞と加藤との仲が一層親密になったことも合わせて付け加えておく。



 そして、あの時速水と舞との間でどのような「話し合い」が行われたかについては定かでない事も。
(おわり)


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