22

寝坊しました。

『ぎゃぁああああああああああああああああ』

4時に起きようとめざましをかけてたのに鳴らなかったのは何故!?

「おはよう、なまえよく眠れたか?」
『お前かぁああ!!』
「びでふぅっ!!」

寝坊した私を見て輝く笑顔を振り撒く兄が犯人でした。


急いでお弁当作って、荷物をし、髪の毛をセットしてから買ったばかりのオシャレな靴を履いて家を飛び出た。

慣れない靴で走るものじゃない。左足のかかとがなんだかヒリヒリする。

どうやら靴擦れだ。

でもせっかく、柳くんが誘ってくれたのだから待ち合わせに遅れるわけにはいけない。

走って走って、なんとか待ち合わせ5分前に約束の場所につくことが出来た。


「早いなみょうじ」
『や、柳くんごめんなさい!遅くなっちゃって』
「待ち合わせの時間はまだだ。それに他のやつらもまだ来ていないしな」


柳くんはもう来ていて遅くなったことを謝ると気にすることはないと言った。

え?他のやつ?
何それ、どういうこっちゃ


『あ、あの柳くん?他のやつらって?』
「言っていなかったか、今日はテニス部のやつらも一緒だ」
『………………あ、ああ…さいですか…』


聞いてないし、言ってないし。
きっと今の私はすごいお間抜けな顔をしている。

「ぷっふふふふふ」
『……その声は』
「精市、来ていたのか?」
『…貴様か、幸村ぁぁぁぁ!?』
「そうだよー、俺だよーあはははー」


建物の影から現れたのは幸村だった。
私の顔を大爆笑しながら現れた。こいつを殴らず誰を殴ろうか。

しかし殴るなんて女子としてありえないわ。
だから胸ぐらを掴んでおもいっきり揺らしてやる。

「それもどうかと思うけど」
『他のやつらってテニス部全員なの?』
「そうだよ」
『……………お弁当、そんなにないんだけど』
「お弁当?」
『そういうとこのご飯ってすごい高いでしょう?だから柳くんにお弁当……』
「乙女だね、ふふふ」

ニヤリッと笑う幸村にイラッとする。

「でもさ、さすがにそれだけあったら足りると思うよ?」
『え?』
「重箱が何段あるの、これ」
『5段』
「蓮二一人じゃさすがに無理だし、大丈夫だよ」
『でもお兄ちゃんと湊とジャッカルだったらぺろりんちょよ!?』
「どんだけ大食いなんだ…」
あれ、なんだ。幸村が引いてる?
もしや私の兄弟は異常なのか!?

そんなこんなしていると人がどんどん集まってきた。

「よ、よぉ」
『知ってたの?』
「わ、悪い」

ジャッカルはすまなそうに私のところにやってきて手を合わせて謝った。

「幸村におもしろそうだから言うなって言われてよ」
『ん』
「へ?」
『今日一日荷物もち!』
「いつもだろ」

はっきり言うと柳くんと二人きりだったら話を上手く出来なかったと思う。

だから、幸村にジャッカル、赤也くんにブン太、その他テニス部の人がいるのは結構嬉しかったりする。

「皆集まったな、それでは行くよ」
「「「「「「おー」」」」」」
『うん』



遊園地に出発です。




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