メールが来ました。
《みょうじ、こんばんは。
昨日言っていた件についての詳細だ。
待ち合わせは駅前に11時に集合だ。
当日暑くなると聞いたので帽子か日傘、タオルなど暑さ対策のものも持ってくると良いだろう》
だということ。
《了解しましたー!》と返事をして私は準備に取りかかる。
洋服はすごい楽しみにしてましたっていうのがバレないようになるべく地味な服にしようとクローゼットを漁る。
そして一人鏡の前でファッションショー。
服が決まれば、明日のお弁当の下準備。
柳くんってどんなものが好きなんだろう。
噂で聞いたのでは薄味がすきとか。
あんまり濃い味つけじゃなかったらいいかな。
唐揚げとか嫌いかな。でも湊のお弁当には唐揚げ入れなくちゃ。
よし、ダメなら私が食べればいいしさ。
というか勝手にお弁当作っていったら引かれちゃうかな。
ちょっと節約で、とでも言っておこう。
「姉ちゃん、明日なんかあるの」
『なんで?』
「おかずが豪華だったから」
『あ、明日、知り合いとゆ、遊園地に行くから』
「知り合いって…柳先輩?」
『……………は?』
何をいいだす弟よ!?
私の反応でにやりと笑う湊にげんこつを作って見せると怖くないしって言われた。
「デートなの?」
『違うよ、一緒に行かないかって誘われただけ』
「それをデートって言うんじゃないの?」
『もういいから早く明日の準備して寝なさい』
「へーい」
めんどくさそうに返事をして湊は部屋に帰っていった。
下準備したものを冷蔵庫に入れて私も寝ようかと階段を昇ろうとしたら、階段に障害物があった。
「なまえ、デートってなんだ」
『お兄ちゃん、邪魔』
「言うまでお兄ちゃんはここを退かないぞ」
湊がいらんこと言ったのがお兄ちゃんに聞こえていたなんて。
めんどくさいやつに引っかかったぞ。
『明日、同じ学校の友達と遊園地にいくのを湊が勝手にデートって言ってたの』
「本当か?」
『本当!』
「じゃあ最後に、二階の部屋に行きたいのなら葉瑠兄ちゃんって言ってちょーだい!」
『それが目的か!?』
「イエス!!」
一時間、拒否を続けたけども諦めなかったお兄ちゃんはすごい。
最終的に言わされ、やっと寝ることが出来た。
予定より一時間遅く寝た私は、見事に寝坊したのである。