17

「…い」

『んー』

「…………い、みょうじ」

誰かが私を呼んでいる気がする。

ひんやりとしたものが額に置かれる。
何だか気持ちいい


『……あ』

「目が覚めたか?」

少しだけ目を開けてみると目の前ににこりと微笑む柳くんがいた。

『ぎゃああああああああ!!』

「ジャッカル、起きたぞ」

「おぉ、サンキュ」


叫ぶ私をよそに柳くんはいつからいたのかジャッカルに私のことをつたえる。


「それと、お前は少し落ち着け」

『はぐっ』

叫び暴れる私の鼻摘まむ柳くん。
息ができなくてしぬ。

大人しくなった私を見るとパッと離してくれた。

『あの〜、もしかしなくて私はいま柳くんのお膝の上に…………?』

「あぁ、なかなか面白い寝顔だった」

『…………ああ、サヨナラ、まいせいすん』

「?」

お邪魔しました、と言って起き上がると柳くんがふふと笑う。

やっぱり声がいいし顔が綺麗です。心臓バクバクうるさいぞ。


「おい、なまえ。これどこに片付けるんだ?」

『あ、待って!今行く』

私が寝ている間にジャッカルが片付けてくれてたみたい。



「おい、大丈夫か?」

『何が?』

「顔、真っ赤だぜ」


ニヤニヤ笑うジャッカルに蹴りを入れる。
いてぇっと言うジャッカルにハゲって言ってやった。


「ハゲじゃなくてそってんだ!!ほら片付けも終わったから帰るか」

『片付けてくれてありがとね』

「おー」

頭を撫でてお礼をいうと、不機嫌そうに返事をした。

「柳、帰ろうぜ」

「片付けは終わったのか」

『柳くんもいろいろとごめんね』

「いや、俺は楽しめることしかしていないからな。気にするな」

楽しめること=私の変な寝顔ってことですよね。
意地の悪い笑顔で笑う柳くんはやっぱり綺麗です。

二人がテニスバックを背負って部屋を出た。私も荷物を持ち部屋をでて戸に鍵をかけ、鍵を職員室に返しに行く。


「お前の部活は部員はいないのか?」

『ちゃんといるよ!でもだいたいが幽霊部員』

「そうなのか」

「だから二つとも部長なんだよな」

職員室に向かう廊下を進む途中、柳くんに質問された。

あれ、柳くんはなんでいるんだろう。

『まあ、そうともいう。でも華道の方はちゃんといるのよ、良い子が!かわいいし』

鍵を返して、玄関に向かう。

「柳、このあとどうするんだ」

「ああ、図書館によって帰るつもりだ」

『じゃあ、途中まで一緒に行きません?』

「そうだな、いいか?」

「じゃあ、行こうぜ」

それからジャッカルと柳くんと私で途中まで一緒に帰った。
歩きながら二人が話すのはテニスのこと。

なにをどうすれば理想的に動けるかって、私にはわからないけどとても楽しそうな顔をしていた。

「それではな」

「ああ」

『さようなら』

いつの間にか図書館の近くについていた。

柳くんと別れて私とジャッカルは一緒に帰った。


「そうだ」

『ん?』

「この前差し入れくれただろ」

『うん』

「皆、喜んでたぞ」

『皆が良いならたまに持って行こうか?』

「マジか?」

『迷惑じゃないなら』

「じゃ、頼むわ」


ジャッカルがありがとなとニカッと笑う。

特に意味のない話をしていたら家についた。

「じゃあ」

『おやすみ』


その日は挨拶をして家に入った。





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