「さて、今日はどんなのにしようかな……?」
スケッチブックを広げ、その真っ白なページに描く絵をイメージする。
イメージが固まったら、私は鉛筆を持ち、その真っ白なページにどんどん描いていく。
描き始めたら、完成するまで私の手は止まらない。
「……できた。」
完成した絵をまじまじと見た。
我ながら良くできたと思う。
時計を見ると、ちょうど彼の部活が終わった頃だった。
私は急いで片付けをして駆け出した。
玄関でくつを履き替えて、外に出ると大好きな彼の背中を見つけた。
「ブン太ー!」
私は大きな声で彼を呼び、振り返った彼に抱きついた。
「おっ咲夜、やっときたか。遅いんだよぃ。」
軽く私のおでこにでこぴんをしてニカッと笑うブン太に少しドキッとした。
「ごめん。絵描いてたら遅くなっちゃった。」
「そうだったのか。どうせ見せろって言っても見せてくれねぇんだろぃ?」
「う〜ん……。もう少ししたらスケブのページ無くなるの。そしたら見せてあげる。それまで待ってて。」
「おぅ。」
そして、手を繋いで二人仲良く帰る。
ブン太にはまだ内緒……。
このスケッチブックにはブン太の笑顔がいっぱいなんだよ……。
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