国光は私の自慢の幼なじみ。
成績もいいし、テニスも上手いし、何よりかっこいい。
いつも周りの友達に羨ましいがられてた。
……でもね
…………いつからだろう……。
私は国光の事“幼なじみ”として見れなくなっていた。
“一人の男”として見ることしか出来なくなっていた。
でも私は、自分の気持ちを伝える事が出来ない……。
伝えちゃったらこの関係が壊れるんじゃないかって……。
そう思ちゃって……。
でも、伝えなきゃ後悔する……。
悩んだ時はいつも川原に来ていた。
ここが好きだから……。
この川を挟んで向こう側に
国光の家がある。
昔、夜に家を抜け出してここで国光と話したっけ……。
そんなことを思いながら
川原を歩いていた。
ふと、川原の向こう側を見ると、国光が歩いているのが見えた。
思わず私は彼を呼んでいた。
『国光!』
こっちに気付いた国光は私の姿を見て川の側に来た。
「咲夜じゃないか。ここで逢うのは久しぶりだな。」
『そうだね。』
「どうしたんだ??また悩み事か??」
『ううん。久しぶりに来てみたくなってね……。』
「そうか……。」
国光は優しく微笑んだ。
昔と変わらないあたたかな笑みで……。
ねぇ、神様。
私は彼にこの思いを……
“国光が好き”
と伝えてもいいのでしょうか……。
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