気づけば季節は冬。
珍しく委員会の仕事で遅くなった私は暗い道を一人で歩いていた。
外はちらちらと雪が降っていた。
いつもの帰り道を一人歩く。
ふと、前を見たら柄の悪い男子が数名こちらに向かって歩いて来ているのが見えた。
私は、足早に通り過ぎようと思った……
しかし、
「ねぇ、君一人?」
「俺らと遊ばね?」
『すみません、私急いでるんで……。』
「いいじゃん。なっ?」
そう言い男は私の腕を掴んできた。
『やっ!!離して!!』
私は手を振りほどこうとした。けど、男の力に敵うわけなく振りほどくことができなかった。
「ほら、いこうぜ。」
誰か……
誰か助けて………………
「あんたら、俺の彼女に何してるんだ?」
声のするほうを見ると武がいた。
『武……。』
「何だよ男いんのかよ。」
そう言い、男達は私の手を離し、何処かに行ってしまった。
「咲夜、大丈夫か?」
『うん。ありが……。』
突然、涙が出てきた。
武が来なかったら、私どうなってたんだろ……。
そんなこと考えたら涙が溢れて止まらなかった。
「咲夜……。」
武は私を優しく抱き締めてくれた。
私は武にすがり付くようにして泣いた。
『武、ありがと……。』
「おう。…………咲夜一緒に帰るか?」
『!!……うん。』
久しぶりに武と二人
手を繋いで帰った。
神様。こんなささいな私の願いを叶えてくれて、ありがとうございます。
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