煽るだけ煽って、スオウさんはおれを解放した。支えがなくなると腰が抜けてしまい、床に座り込んだおれを今度は後ろからスオウさんが抱き上げてまた脚の上に乗せる。どんな顔してんだろう。振り返ろうとしてもそれに合わせて背後で首を動かすから、おれからは全然見えない。じれったくなって腹に回された手を握ると、恋人みたいに指を絡められた。体が熱い。ズボンの中が、すごく熱い。
「…しねェの?」 「しねェよ」 「なんで?」 「犯されてェのか、エロガキ」 「ガキに手ェ出すへんたいに言われたくねェ」
「どうしてくれんだよ、これ」。もぞもぞ太腿を擦り合わせると、耳のすぐ横で笑う声がした。「お前は素直でいいな」。褒められた気はしない。だけどスオウさんの手がズボンの中に遠慮なく侵入してきて、言葉の意味を問う気もなくなってしまった。
「っあ、ちょ、待っ」 「出しちまえ」 「っ、ん、んっ」
鼻に抜けるような声が恥ずかしい。繋いだ手とは反対の手がおれのちんこをやらしく擦って、それがあんまりにも上手いもんだから、おれはあっという間に熱を吐き出してしまった。全部受け止めたスオウさんの掌が白い液体で濡れている。エロい。ぼんやり見詰めているうちにその手が後ろに持って行かれて、ぴちゃ、と何かを舐める音がする。え、と振り向くと、ようやくスオウさんの顔が見えた。いつもの顔で、にんまり笑って、掌を舐めている。いや、違う。舐めているのは、おれが吐き出した 、
「へ、へんたい!へんたいだ!」 「なんだ今更」
おれの罵倒に、にやぁっと笑うスオウさんはいつものスオウさん。おれはそれにすごく安心して、それからちょっと、残念だった。
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