「…シャンクス、それはどうした?」
船に帰ると、レイリーさんがおれの持っている剣を見てすぐさま問い掛けてきた。スオウさんはそのままスタスタとどこかへ行ってしまうので、その背中と剣を見ながら、「スオウさんに買ってもらって」と答えるとレイリーさんもスオウさんの背中を見る。 なんだろう。やっぱりこれ、おれが持つにはまだ早い代物なんじゃないか。スオウさんはまあまあって言ったけど、あんな札束がぼろぼろ出ていくような剣が本当にまあまあ程度の剣なんだろうか。
「なんというか…そうか、スオウのやつ、本気だな…」 「え、なにが?」 「いやなに、シャンクス、大事にしろよ」 「あ、はい」
頭を麦わら帽子越しにわしわし撫でられて、レイリーさんもスオウさんの後を追ってどこかへ行ってしまう。残されたおれは剣を握って、それから誰にも盗られてしまわないよう、剣に名前を彫ろうと決めた。
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