「わははは、怒った怒った。ダメじゃないかシャンクス、ネタばらしをしたら」
左のこめかみあたりが真っ赤に腫れてるレイリーさんを見て、さっき感じた寒気がまた背筋に走った。スオウさんに殴られたんだ。まさか、こんなに怒るとは。
「レ、レイリーさん、おれ氷嚢貰ってくるよ…!」 「ああ、構わん。お前に世話させたら今度こそスオウを敵に回しかねん」 「なんで!あの人本当にわけわかんねェ!」 「だから言ったろ?素直になれんやつなんだ」
にやっと笑ったレイリーさんは、おれよりよっぽどスオウさんのことを解ってるみたいだ。スオウさんだって、おれには言わないこともレイリーさんには言ってるのかもしれない。古い付き合いだという二人が遠慮も容赦もない関係だとは知っているけど、なんだか今はそれが、すごく嫌だと思った。嫌だと思う理由は、やっぱりよくわからないけれど。
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