ロー長編 | ナノ


「…どうだった?」

夕飯の席についたペンギンが問うと、ジャンケンに負けてローとヤマイの二人を呼びに行ったシャチは首を振った。「無理。超二人の世界」。
シャチが覗いたローの部屋では、ソファーで横たわるローを「おーきーなーさーいー」と揺するヤマイと、ウーだかムーだか唸りながらヤマイの体にしがみついて甘ったれるローがイチャイチャしてピンク色の空気を撒き散らしていた。その間に割って入る勇気をシャチは持ち合わせていない。溜息をついて無理無理と諦めるシャチを責めるものは誰もおらず、ペンギンは頷いて「食うか」とフォークを手に取った。ローが食事の時間に食堂へ現れないのはよくあることだ。ヤマイは今までに一度もそういうことはないが、船長であるローと違って気を遣わなければならない身分でもない。ペンギンに倣ってそれぞれが食器を手に取った時、重い足音と食堂のドアが開く音が響いた。

「みんなごめん、キャプテンが起きなくて…待ったか?」

無理矢理連れて来た、というヤマイの腕の中には、お姫様のように横抱きにされたローの姿。未だ眠そうに目を閉じているのを良いことに、ベポを除いたクルー全員、揃って苦虫を噛み潰したような顔になったのだった。


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