ロー長編 | ナノ


今日こそは、とヤマイは意気込んだ。今日こそは、キャプテンを寝かしつけてみせる、と。

目の下に黒い縁取りを作っているローの生活は、無法者の海賊であるという点を抜かしてもひどいものがある。多少の不規則ならば見逃そう。飲酒もいい。内臓を悪くしそうなほど酷い呑み方はしていない。食事は五回に一度くらい抜く時があるようだが、栄養バランスを気にするコックのおかげでさほど気にする必要もなかった。

だがしかし、睡眠は、これだけは、よくない。

目の下に鎮座している隈を見てわかるように、ローは常に寝不足気味だ。単なる血流不足かとも思ったが、ローの就寝時間は主に朝方から昼近くまでという不健康極まりない上に、寝起きも悪いし欠伸ばかりしている。健康を守る立場の医者がそんな有様でいいのか、と呆れてしまい、早く寝ればいいのにという思いはやがて「早く寝なさい」という言葉に変わり、今では「早く寝かせなければ」という使命感に取り付かれている。もはや医者としての意地だ。ヤマイはローに、健康でいてもらいたい。健康でいて貰わなくては、困るのだ。


「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -