マルコ長編 | ナノ


「おい色ボケ、あれ拾ってこいよい」

気分よく朝帰りして船に戻った途端、命令口調のマルコに海を指し示されて心臓が飛び出るほど驚いた。
えっ、なんで部屋から出てんの?まさか失敗した?っていうか色ボケって酷くない?

「海に飛び込んだまま出てこねェ」
「…何が?」
「イサキ」

マルコの口から自然にイサキの名前が出てきたことに驚いて、それから海をよく見てみると、ぷくぷくと気泡が浮かんでは弾けている。その下に沈んでいるのがイサキらしい。「何があったわけ?」。聞いてみても、マルコはにやっと笑うだけだった。よく分からないが、マルコのいいように事態が動いたらしい。けれどイサキにとっては海に沈みたくなるようなことがあったと。

「まさかマルコ、お前…イサキを無理矢理犯したとか…」
「その首についたキスマーク、首ごと刔り取ってやろうか」
「えっ付いてる?どこどこ!」
「いいから早くイサキ拾ってこいよい!」

蹴り飛ばされて海の中。それでもちゃんとイサキを拾いに行ってやるおれって超いい男。マルコはおれにもっと感謝すべきだと思うのよ、マジで。


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