「うわあああああ!!」
大絶叫が船中全体に響いて、マルコの部屋のドアが木っ端微塵に砕け散った。「さて、マルコとイサキはどうなったかねェ〜…」と呟いた口が開いたまま塞がらない。中から飛び出してきたのは、見間違いでなければイサキの方だ。確認ができる前にすごい速さで甲板の方へ逃げていってしまったから、おれは部屋の中を覗いて残った方を確認した。マルコが複雑そうな表情でベッドの上に座っている。
「よう、なんかアヤマチでも起きたか?」
「イゾウ…お前もサッチとグルかよい」
「協力者と言ってほしいねェ」
で、どうすンだ?逃げちまったけどよ。
にやにや笑ってイサキが走り去った方向を顎で示すと、マルコは立ち上がって焦りのない足取りで部屋を出た。
「…勝機でも見えたかい?」
答えはない。しかしニヤッと口角を上げて笑った顔を見れば一目瞭然だ。
それでこそ我らが白ひげの、1番隊隊長様じゃねェか。