マルコ長編 | ナノ


どいつもこいつも、おれにどうしろって言うんだよ。知らねェよ。せっかく諦めがついて楽になれたっていうのに、どうして掻き乱そうとするんだよ。
マルコに好きな人がいるならその好きな人に慰めてもらえばいいんだし、サッチだってそんなにマルコが心配ならおれに押し付けないで自分が面倒見ればいい。おれはマルコの恋人でも保護者でもない。ただの1番隊隊員で、ただの白ひげクルーだ。マルコに対してなんの責任もない。

心配じゃないかって言われたら、そりゃ心配だよ。家族だからな。
あんなにおかしいマルコはおれだって初めて見るし、何か悩み事があるなら早く解決すればいいと思う。だけどあんな風に縋られたら、捨てた気持ちがまた戻ってきそうで嫌なんだ。久々にマルコに触った掌がまだ熱くて、どうしようもなく苦しくなる。
諦めたんだよ、おれは。もうマルコに一喜一憂するのは疲れた。片想いを楽しめる年頃じゃなくなってしまった。好きな人をただ好きなだけでいられたら幸せな時期もとうに過ぎた。
何年も何十年も想うということが惰性でないと誰が断言出来るんだ。おれはだらだらと続いてしまった感情を切り捨てて身軽になった。マルコのことは大切だ。だけど好きじゃない。マルコが幸せになったら嬉しい。だけどそれは家族としての感情だ。

おれはもう、マルコに関わるのが怖い。
また好きになってしまったら、おれは今度こそ不幸になる。


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