マルコ長編 | ナノ


モビーディック号は今日も平和だ。この島の近くは海軍もなかなか通らないらしく、うちと同じように停泊している海賊船は腑抜けばかりでこそこそと隠れながら過ごしている。ログは7日。春島の穏やかな気候で過ごす一週間は休暇のようなものだ。危険がなければロマンもない。船の縁に座って柔らかく流れる風に身を預けていると、このまま眠ってしまいたいほど心地好かった。

しかし、こんなにも平和な島で何があったというのか。マルコは暗い顔をしているしサッチは自慢のリーゼントがひどい状態になっている。どうしたんだとおれが聞いても、何でもないと言うばかり。何でもないという顔ではないのだけれど、おれはそれ以上何にも聞かなかった。マルコのことに踏み込むのは、もうやめたんだ。


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