マルコ長編 | ナノ


「…サッチ、いってこい」

凶悪犯みたいな顔をしたマルコに顎で示されて、イサキと新人ナースちゃんがいちゃいちゃしてるところに突撃させられそうになってる。なにこれどういうこと。

おれの嫌な予感はぴったり当たってしまったらしく、ここ最近あんなに仲が良かったイサキとマルコはどこかぎこちない。何があったって聞いても二人とも何も言わないし、お互い話し合う気もないようだ。他の家族には普段通り変わらない態度で接する姿が白々しくて見ていられないが、以前と比べてマルコは逆に、とてもわかりやすくなった。

なにそれ嫉妬?嫉妬してるわけ?あんな小娘に妬いてんの?白ひげ海賊団一番隊隊長不死鳥マルコが?   だめだ、笑ってしまいそう。

自分でいけよ、という言葉は飲み込んで、おれは快くマルコの指令に従った。物陰から飛び出して、イサキの背中にどーんとタックル。「暇だから魚獲ろうぜ魚!」。唐突な提案にイサキは笑って了承して、新人ナースちゃんはキリよく退散。これでいいんだろ?マルコ。

    まァ、今度はおれに嫉妬するんだろうけどな!

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