おれは彼に対してなんの評価も伝えたことはなかった。何を言う輩がいようとも彼は紛う事なき誇り高いアラバスタの守護神である。誰が貶そうが褒めようがその事実に変わりはないのだから、それこそ、たかが一兵卒でしかないおれがどんなに彼を慕い憧れ好いていたとしても彼にとってはなにも変わらないだろう。
「あ、ありがとう、ございます…」
「………いえ、事実を言ったまでですから」
「い、いや、そんな、そんなことは…」
顔は俯いてしまっていてよく見えないが、俯いたせいで首筋を覆う布の隙間から真っ赤に染まった首筋が露出してしまっている。
「綺麗だな」と呟いただけだった。大空を滑空する翼が、夕日に反射して鋭さを増す眼光が、堂々とした立ち居振る舞いの存在が、全てが美しかった。無意識に溢れてしまった言葉が、至近距離にまで近づいていた彼に聞かれてしまったのは仕方のないことだ。声に気付いて振り向いた彼と、目が合ってしまったのも仕方がないこと。
これは本心だ。皮肉でも媚びたわけでもない。伝えるつもりはなかった本心が、せめて正しく伝わればいいと思ったから「貴方は美しいですね」と改めて言葉にしただけだった。
彼は誉れある護衛兵だ。さぞかし褒められ慣れているだろうと思ったが、この初々しい反応はなんだろうか。潤んだ瞳で見上げるように顔を上げて、苦しそうにはにかむ。その表情の意味は、一体なんだろうか。
貴方は萌えが足りないと感じたら『相手の褒め言葉で顔を真っ赤にしているペル』をかいてみましょう。幸せにしてあげてください。
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