女好きで男嫌いで、わかりやすいくらいストレートのサンジを好きになってしまった以上簡単に想いが通じるとは思っていなかった。根気強く少しずつ距離を縮めていって、嫌悪感をなくして、信頼させて、そしてようやっと口説き落とせるまでにおれは気が遠くなるほど気を遣った。それでもサンジの男嫌いというのはもやは病気なのではないかと心配になるほど根深いものだ。想いが通じようが付き合おうが彼の態度は女性に比べれば冷ややかなものだし、愛されていると実感するには程遠い。もういいかな、と思ってしまうことは何度もあった。なかったことにしてしまえばお互い楽になるんじゃないかと。サンジの辛辣な口に疲れ果てて今にも「もういいや」と言ってしまいそうなおれの口を、けれど封じさせたのは同じくサンジの口だった。
不寝番で昼間から男部屋のハンモックで眠るおれの額に、柔らかな感触が恐る恐るといった微かな震えでもって押し付けられる。初めてではない。何度も何度も、一方的に繰り返されてきた接触は、誰に強制されたものでも誰に伝えようとしているものでもないからこそ真実味がある。
好きだという代わりに、大事にするという代わりに、あまりにも幼い仕草で与えられる愛情におれは囚われてしまったから、今日も明日も明後日もこの素直でない男を愛することしかできないのだ。残念なことに。
貴方は自分の実力を最大限に使って『寝ている相手のおでこにチューしているサンジ』をかいてみましょう。幸せにしてあげてください。
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