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娯楽の限られた海の上では退屈も欲求不満もつきもので、幼い頃から船乗りをしていたおれとしては男同士で抜くことなど暇潰し程度にしか思っちゃいない。
カードゲームで負けたら言うことを聞く、というありふれた賭け事で「おれに負けたやつは挿れさせろ」と宣言して相手を募れば、じゃあおれが勝ったらお前が下な、と乗ってくるやつもいるし、ぜってー嫌だ他の賭けにしろ、と拒絶するやつもいる。負けねェからいいぜと舐めた態度のやつが結局後で泣くことになるのもままある展開で、マルコはそのうちの一人だった。

イカサマでもするつもりだったのか、自信満々である日おれの賭けに乗ってきたマルコは、結局ケツをおれに差し出すはめになった。ぶすくれた顔で、けれど無様に言い訳などせずに「さっさとやれよい」と潔く脱いだマルコは終始マグロで、慣れていないことなど穴の硬さと強張った顔ですぐに分かったが、終わった後はさも大したことないと言わんばかりの口調で「下手くその上に早漏かよい」と罵ってきたので、暇潰しの遊びだったとしてもカチンときたのだ。慣れていないようだからとゆっくり準備して、早めに終わらせてやったおれに対しなんという言い草か。
絶対泣かす、と決めたのは当然の流れだろう。その日から「この間のリベンジするか?」「負けっぱなしでいいのかい隊長さん」「それとももう犯されるのは怖いか?」と煽りに煽って賭けに乗せた挙句、イカサマを駆使して勝ち続けた。不自然なほど全勝するおれに勿論マルコは疑いの目を向けたが、イカサマは見破られなければイカサマにはならないのだ。何度も賭けに乗り、何度も負けて、何度もおれにケツを差し出すはめになったマルコの身体が行き着く先など、おれには手元のカードを見るよりわかりきった結末だ。



「良くなってきた?」

全身を真っ赤にして、ぶるぶる震えながら絶頂を繰り返すマルコは、今やおれがどう触れても嬌声をあげるようになっている。二の腕に歯を立ててやんわりと噛み付いただけで、「う゛う゛う゛」と唸りながら腰をびくつかせ、ドライオーガズムをきめた。愉快愉快。下手くその早漏などと、二度と言えない惨状だ。

「かわいいな。噛むだけでイッちゃった?叩いてもイケるんじゃないか?不死鳥の体なら跡も残らないだろうし、スパンキングでもしてみようか」

上機嫌が抑えられない声色で囁くと、期待するように腰を揺らすくせ、目だけは反抗的に睨みつけてくる。「ただで、済むと…っ思うな…!」。イキまくってるくせに、屈しない態度がかわいいだなんて。
暇潰しでしかない行為にハマってしまっているのは、結局おれの方なのかも知れない。



マルコに「良くなってきた?」と訊ねて二の腕に歯を立ててやんわり噛みつくと、「ただで済むと思うな」と睨まれました。
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