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「休みって、本当にすることがなくて困る」

ヤることもヤって一息ついた気怠い時間の中、ナマエはドフラミンゴの短い髪を指先で軽くつつきながら呟いた。返事は期待していないのだろう。喉も枯れ声を出すのが億劫なドフラミンゴは、鼻で笑うだけで相槌を打った。昨日今日は、強制的に休暇を取らされたのだと言っていた。つまり先程ドフラミンゴと会うまで、やることもなくて無為に過ごしていたのだろう。
ナマエが過労で倒れて以来、彼の部隊では定期的にナマエへ休暇を取らせるようになったのだそうだ。誰が上司だかわかりゃしない、とナマエは苦笑していたが、そのおかげでセックスをするために使う時間の選択肢が広がった。「もうお前海軍辞めちまえ」と言ったのは揶揄ではない。ドフラミンゴのために生きればいいという意味だったが、そうはならないことを知っていたのでそれ以上はなにも言わなかった。

「休みの日に、お前がいつも家にいたらいいのに」

そんなにも休日が苦痛なのだろうか。恨みがましい声で、微睡んでいるドフラミンゴに囁く。そうなりたいと望むなら、ナマエがそうなればいい。ドフラミンゴはそうはしない。そうできない。

「…一緒に暮らせたらいいのに」

小さく小さく、掠れた声で呟かれた言葉に、ドフラミンゴは聞こえないふりをした。どんな返事をしたとしても、結局ナマエは海軍で、ドフラミンゴは海賊なのだ。




シアリスが言ったわがままは「一緒に暮らしたい」です。
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