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年明けて早々めちゃくちゃいい夢を見た    はずだというのに、目が覚めて一番に視界に入ってきたのがミホークの眼球のドアップなんて怖すぎるもんだったせいで夢の内容をさっぱり忘れてしまった。なんかかわいい女の子となんかいい感じのなんか、そういう幸せな夢だったはずだというのによりにもよって至近距離のオッサンのおっかない目付きで上書きされたどころか、なんでおれの寝床に入ってきてんだとか、なんで寝顔まじまじと見つめてんだとか、本人を責め立てて非難していたらただでさえおぼろげだった夢の内容さえ思い出せなくなってしまった。相手はどんな子だったっけ?もしかして夢じゃなくって単なるおれの妄想?

「初夢は正夢になるってェのに!返せよおれのリア充の夢ェ!」
「くだらんな、おれの夢を見た方がよほど縁起がいいだろう」
「鷹の目だけにってか!やかましいわボケ!トリトリの実でも食って出直してこいや!」

もっかい寝る!と息巻いて布団を被り直しても、上からずしりとのしかかってくる重みの犯人はなんの恨みがあるのかおれを夢の世界に見送ってくれそうにはない。
普段から暇潰しでとんだ奇行をしでかす幼馴染だが、近年はおれに対してますます奇行が目立つようになってきた。こいつが離れてくれない限り恋人の一つも出来ないというのに、いつまで経っても強いばかりで生活力のない男を見捨てられないおれにはかわいい女の子といちゃいちゃするなんて夢や妄想でしか出来ない。それすら邪魔をするミホークは確実に自立するつもりがないようだ。勘弁してくれ。せめて夢の中だけでも、オッサンに片想いしている自分を忘れたいっていうのに!

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